映画感想 『フェラーリ』
キノシネマ新宿 THEATER 1にて鑑賞
少しネタバレがあります。
今回初めてキノシネマ新宿に行ったのですが、あそこって昔は角川シネマでしたっけ。
で、本作。アダム・ドライバー主演で楽しみにしていました。それにしてもアダム・ドライバーはでかくて風格バリバリでしたね。
重厚さで周りを固めているのに、中身(軸)はスカスカだったというか。俳優陣の演技もよかったと思いますし、画面の質感も本作で描かれるエンツォ・フェラーリの人物像に合ったようなドライで冷徹な中にも少し暖かみを感じさせてくるようなものという受け止めなのですが、本当にお話がつまんなかったのが最悪でした。
史実を基にしたものということで、鑑賞にあたりエンツォ・フェラーリのこの時期の情報をかなり知っていないと余計に楽しめないと思います。これも商業映画としてはどうなのかなという疑問があります。
また、終盤のレース途中で、田舎道を走るフェラーリ車が沿道の観客に突っ込む痛ましい事故が起きるのですが、そこの場面が画面の質感も若干変わり、本作に似合わないようなグロい表現で(だって体真っ二つの死◯が映されたりするんですよ)、そこはおおっと思いましたが、本作を観たい人でこういう描写を求めている人はいないよなという点でチグハグさを感じました。私はかなり楽しめてしまいましたが(笑)。
冒頭のタイムアタック中の場面でも事故ってドライバーが宙を舞っている場面の見せ方は少し滑稽な感じがあって、この終盤の場面の布石だったのかと後から思いました。