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思うこと:プロレス人気の衰退

 1980年代前半のプロレスブームからの急激なプロレス人気衰退の原因は何かと考えてみました。色々要因はあると考えられますが、私は以下の点が重要だったのかなと捉えています。

・両者リングアウトが多過ぎた
・バブル経済の崩壊
・総合格闘技の台頭

・両者リングアウトが多過ぎた
 両者リングアウトについて、それ自体を否定はしていません。今のプロレスは逆に両者リングアウトが少ない、足りないようにも思えます。ただ、プロレスが衰退してしまった一つとして、曖昧な決着を、特にビッグマッチにおいて長い年月に渡り続けてしまったことで、観客の興味の失墜を招き積み重ねていったのは事実だろうと思います。ソースは私です(笑)。

・バブル経済の崩壊
 ゴージャスな雰囲気があった1980年代が終わり、1990年から1992年に掛けて当然のように続くと思われたバブル経済が弾けました(一般層にとっての実感として)。そのことでプロレスを含めての娯楽に対しての投資が、一般層や企業においても難しくなったという面も大きいと考えます。コロナ禍で娯楽産業に陰りが見えたというのと、状況は異なりますが結果や感触は似ていると思います。

・総合格闘技の台頭
 第二次UWFブームの根底にはプロレスの不透明決着に対する不満(先述の両者リングアウト決着にも関係します)もあったと思います。それほど完全決着が見たいという欲求と、誰が一番強いのか決めたらええねんっていう願望が高まっていたところに、それを標榜するような初期のUFCを含む総合格闘技系が登場したことが大きかったと思います。また、初期の総合格闘技にはプロレスラーもかなり参戦したりしたというのも、プロレスから総合格闘技に流れていったファンが多かった一因だと思います。はい、ソースは私です(笑)。

 日本でも米国でもそうでしょうけど、プロレスが復活してきたのは、プロレスをプロレスらしくやるっていうことだったように思えます。日本では新日本プロレスの棚橋弘至選手(現在は新日本プロレスの社長ですよ)がそれを実行し新日本プロレスのV字回復を成し遂げたという事実が証明しています。

 色々な要素を取り入れるのはいいことだと思いますが、軸というか芯が崩れてしまうと観客としては何を見ているのかという感情になり、その感情から受け入れ拒否という行動に出てしまいかねないと思います。暗黒時代の新日本プロレスはそうだったように思います。プロレスという軸(芯)を明確化、簡単に言えば総合格闘技との差別化を図ったのが結果としてよかったのではないでしょうか。

 軸や芯が崩れてしまって新しいモノができるという側面もあります(破壊なくして創造なし)が、それはもうマレでしょうし、それを期待している観客は少ないでしょうから。

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 以上が私が考えるところの、プロレス人気の衰退です。私が幼い頃は、子供は勿論、大人も普通にプロレスのことは知っていました(今のプロ野球とかサッカーと同じくらい)し、見ている人も多かった印象です。

 今はプロレスはマイナージャンルですが、本当に昔はメジャージャンルだったと思います。個人的にはそこへの復権を目指すのはいいのですが、拘る必要はないのかなと思います。娯楽の選択肢が昔とは桁違いに多くなっていることから、昔と同じレベルへの復権というのは現実的ではないと考えるからです。

 幸いにもいい悪いは別にして、一定数の固定ファンはいます。年齢層が高めなのは負のリスクですが、そのファン層を土台として、いかに若年層にアピールしていくのか、取り込んでいくのかが鍵でしょうし(どの娯楽もそうですが)、それを阻害するようなファン、スポンサー(タニマチ)は排除していく強い姿勢は必要だと考えます。

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