面白かった本【面白いとは何か?面白く生きるには?】
新型コロナウイルスの影響で、最近少々空き時間があるので読書をしている。
前々から読み進めていた本を一冊読み終えたので感想を書いていきたい。
目次
面白いとは何か?面白く生きるには?
著者は森博嗣さん。
言わずとしれた「すべてがFになる」という小説の作家さん。
経歴としては、某国立大学の助教授であり、その傍らで小説をアルバイトがてら書き上げて投稿したら瞬く間に人気作家の仲間入りをしたというから驚きだ。
この本は、自分が友本好きコミュニティの友だちとチャットで楽しんでいて紹介された本だった。教えてもらってすぐに購入してようやく読了といったところだ。
面白さ。
この本を読み終えてから、「面白い」という言葉がとても崇高なものとして自分の中に入ってきた。
それは単純に、テレビを見ていて面白いとか友だちと話していて面白いとかの次元ではない。
「面白い」とはなにか、というのを極限まで追及している本なのだ。
そりゃ題名通りではあるのだが、様々な観点から面白さを定義していき、最終的には腑に落ちるいう、さすが言葉を職業にしている人だけあって素晴らしい所業である。
共感という面白さ。
自分が特に特徴的だった箇所を抜粋してみる。
現代でいう共感と元来のそれの意味が若干異なっているという森さんは指摘していた。
現代の人々の共感とは、そう感じることで他者と繋がっていることを実感できることだと。つまり、共感したということが自分が社会の一員であることの証明であり、逸れものではない安心感を得ることだと。
例えば、ソーシャルなんかで何か写真をアップロードした際、自分が面白いと思ったものではなく、他者が面白いと感じそうな(いいねがもらえそうな/バズりそうな)ものを対象としている。
本来の面白いとは、上記で引用したように、己がどう感じたのか?どう感情を動かされたのか?という点で面白がるものだったはずだと。わからんでもないなと思う。
面白さを得た満足
面白いには十人十色で様々な種類があるはずだ。
思った通りではなかった意外性や難しい課題・問題にチャレンジしている中で感じる面白さだってある。さらに言えば、人を小馬鹿にしたときの面白さもあるのかもしれない。
このような中で考えると、同じ面白さを通じた関係性を持った対人関係が一番魅力的な繋がりなのかもしれないと感じる。
自分の中にある面白いを軸に様々な関係性を構築していくのが最終的な満足なのだと書いてある。
研究者の知的好奇心
人間が面白いと感じる要素として、「知る」面白さというものがある。
今まで触れて来なかった、初めての体験には誰しもワクワクをするはずだ。
そのワクワクが面白さであり、知ることによって感じる感情であると。
知るということを最大限に楽しんでいるのが研究者である。
知ることを体験することによって、面白いを獲得する仕事。
こんなに羨ましい仕事があるだろうか、と読んでいて思ったものだ。
面白いことは待っていても誰からも運ばれてこない。
自分で面白いと感じ、その面白さを獲得することこそが、生きるということなのだ。
面白いことがない不満
毎日が退屈だとぼやく人が多くなったと感じている。
テレビでも芸能人が「最近の私の楽しみはサウナしかない」とも言っているのも見て、芸能人もみな一生なんだなって感じた。
退屈な日々、面白いことがないという人に限って何もしない人が多いように感じる。
この節はとても心に刺さった。
そうなのだ、面白くないなーってボヤいている人は、面白いことが思いつけていないから面白くない状態なのだ、と。至極当たり前なのだ。
面白さは発明するもの。自分で見出していかないと生まれないものなのですね。
まずはチャレンジだ
何事にも通ずることだと思うんですが、まずはやってみないことには始まりません。
「これは自分には向かないだろうし・・・」「やったところで面白いのは確約されてるわけじゃないし・・・」
そうじゃないんですよ、まずはやってみることだ重要です。
研究者のお言葉は刺さりますね。知的好奇心そのものが面白さである人が研究職って天職ですよね。
興味のあることはすべからくやってみる。
「今」興味のあることをやって、それが「将来」大きな興味・趣味になっているかもしれない。
まずは種まき。それを育てていくのもまた面白い工程なのである。それをサボってはいけない。
面白さを作り出す秘訣
秘訣と大きく銘打ったが、これまでに語っている内容そのものが面白さを作り出す秘訣なのである。
面白さとは、待っていてもやってこない。自分で作り出すしかないのである。それが発明する工程と同じであるということだ。
発明とはもはや、問題解決のアプローチと同じだ。
日常に潜む問題点をあぶり出し、それをどうやって解決するのか?(なくしていくのか)を小さい頭で工夫していくのだ。
そのためにはまず、日常に潜むちょっとした問題を見つけ出せないといけない。
ちょっとした問題は外にいけば見つけやすいと思うけど、室内にいたって見つけられるものだ。だから必ずしも外出をすすめるわけではない。だが、外にいけばいろんな種類のちょっとした問題に遭遇することができるだろう、と思う。
面白さへの正しい姿勢
とどのつまり、面白いと感じるのは自分自身なのである。
自分自身が面白いと感じられないのは何も進まない。
自分以外の対象に対して、紳士に向き合う姿勢だ。
どうせ、でも、という言葉は投げ捨てよう。
世の中にある作品のどこがどう面白いのかを分析・分解して、ここが面白いポイントだ!というのもしっかり把握すること。それを自分の中に浸透させていくことだ生きる上で大切な姿勢だと思う。
設計図を作る。
生きる上で面白いということがどれだけ重要なファクターかはこの本を読んで理解した。
そして面白い人生を歩んでいる森博嗣さんの考え方も理解した。
どのようにしてこのような生き方を手に入れられるのか?
それは森博嗣さんもしっかり事前に設計をしたからだと言っている。
口だけで何かやりたいとかやったほうがいいとか言って終わりではなく、行動に移すこと。
まずは設計図を描き、一粒一粒でも良いから種を巻き、大きくする過程のなかで、自分ひとりでその設計図を実現するために、作業をすすめるべきだ。
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