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叡明高等学校の感想に想う

前回の投稿からずっと、早く書きたい!早く書きたい!!と思い続けたものの、その時間が取れなかったのは自らの不徳の致すところ。

有難いことに年明け早々から2月いっぱいまで、兼ねてから「いつかはこんな生活をしてみたい」と願い、それを体現するかの如く”講演”ラッシュでして。この期間で軽く1,000人を超える皆さんにお会いすることができたのは幸せの極み。

その中でも早朝1限から、高校1年生700人に届けた埼玉県越谷市の叡明高等学校から届いた感想を、とりあえず読んでくれたら嬉しいです。

1月29日 生徒

ちがいと気付きと相談の大切さを、自分事に代えて。

ちがいこそ価値

・違いがあるからこそ違う景色が見られる。私はこれから、違いを見つけ出し、色々な景色を見ていきたい。

・日常生活を過ごしているときに、どんなに小さなことでも悩んだり困難に直面したら、それも障がいになるということを聞いて、日々様々な障がいと向き合っているということに気付いた。

・友達に、何もなくても話しに行ったり、辛くなる前の一歩手前で相談したりしていいとお聞きして、なぜか分からないが、それだけで心が楽に感じた。

・見て判断するのではなく、交流を深めていきたい。

自分らしさや人としての喜び

・障害の部分を見るより、もっとその人の良いところに目を向けて、障害
を持つ人、持たない人、誰に対しても平等に、その人のことを考えて接していこうと思った。

・障害があったとしても、それぞれが自分の生きがいや趣味を見つけて喜びや達成感を見出していることがわかり、障害のあるなしは関係ないんだと改めて実感した。

・人にはできるところとできないことがあるからお互いにできないところを補って協力していきたいと思った。色々な人と交流して出会いを大切にしたいと思った。

発想の転換。それぞれの「自分にしかできないこと」

・(講演中)自分と相手を比べず、自分にしかできないことを考えていた。

・全部が全部苦しみで溢れかえっているわけではないことが、よくわかりました。「自分の経験だけが他人を納得させられる」という旨の言葉がとても心に響きました。

・人それぞれ違うから価値がある 
・みんなの想いや考え方に価値がある。

・(話を聴いたとはいえ)サポートを実際行動に移して行くのは、とても難しいことなんだ(と感じた)。

・長野さんの誰でも困難を抱えていて、それが1人ひとり異なるという考え方がものすごく素敵だと思った。私もそのように思えたら、お互いに協調できる。

・悩むことが障害(※今悩んでいることも生きるうえでの障害と言っていい、の意)と言われ、自分にも身近な障害があることがわかり、障害に対して親近感を持つことができた。私もお金や時間がかからなくて、やりやすいサポートを探してみようと思った。

・身体の障害がない自分にも共通する、当たり前の感謝することだったりを自分もやっていきたいなと思った。

差別と区別を超えた接し方

・(講演前は)長野さんを一人の人間としてよりも障害者としての側面を強く意識していたため無意識に差別をしていたことに気づいた。

・いつもは自分たちのような人間が普通で、障害のある人は少し距離があるのかなと思いましたが障害のある人も結局は同じ人間であり普通であるということに気づかせてくれた。

・これからの多様性の社会、想像よりもたくさんの多様な人達と関わって行くと思うので、適切な接し方をしていきたい。

・障害を持っているからといって難しく考える必要はあまりなく、優しく気兼ねなく応対することが大切。

・講習を受けて、その人それぞれの生き方について多くのことに気が付きました。長野さんのように障害があっても考え方を変えて少しでもいい方向を向いて生きて行けるような生き方を考えることもできるのだな、と思いました。そんな考え方を私もできるようになりたい。

教員(※2日間全体)

生徒の皆さんと一緒に、真摯に向き合って下さったことが何より嬉しい。

偏見への葛藤と、教員の本音

・長野氏に対して「明るい方だな」という第一印象ですら、偏見によるものであると感じた。ただそれは健常者に対しても言えることであり、第一印象は個人の経験から生まれるものであり、障碍の有無は関係ないのかもしれない。

・私が高校生だとしたら、”何かあったら連絡してね”ではなく、”いつでも連絡してね”と声を掛けるのが本当の優しさなのではという話が響いたのではないかと考える。また、意識を持ったうえで(学校現場においては)障碍の種別を越えた困難さに注目をし、状況改善をすべきであると考えた。

・長野さんの伝えたいことが、それぞれの年齢別に違っていることがとても素晴らしいと感じました。
頭では理解していてもやはり障碍を持っている方へ同情だったり、可哀そうと思っている節がありますが、そうではなくて、健常者同士にでもある違いと同じように障害を捉えるべきなのだと改めて気づきました。

・「こんな配慮をしてほしい」「自分はこんな人間である」と周囲に公表できる方に対しては、(こちらとしても)配慮や支援をしやすいと思った。逆に言うと、はじめましての方や一見さんに対して、どこまでこちらが配慮するべきなのかは非常に難しいのではないかと考えた。

・私もこれから、多くの生徒とコミュニケーションを図りながら、「この生徒はどのような場面で配慮を必要としていて、どのような場面で配慮してほしくないのか」といったことも考えて生徒と向き合っていきたいと思います。

・生徒の中で「一緒にアフロを付けてゲームをすれば、親近感も湧き、仲良くなれる」という意見があった。個人的にはとてもいい発想で、とても素敵な意見であったと思う。そういう発想を大切にしたい。

・誰にでも「困難・不安・悩み・嫌なこと」があることを、生徒みんなに話してもらえたことが良かったです。私もあります。

対等な関係は生徒へのリスペクトから

・「私たちが何かしてあげなければいけない」という気持ちが逆に負担になっているのだということはあまり気づけていなかった。こういった生の声を聞くことが出来るのは、私たちが知らないうちに持っている先入観の壁を無くす大切な機会だと思った。

・生徒の発表を聞いていて、「机を寄せて道を広くする」などのアイデアを自然と出していたのが印象的だった。叡明の生徒はおそらくサポートが必要な場面に出くわしたとしても、自然と手を差し伸べたり声をかけたりすることができるのだろうと思った。

・改めて、自分が普段障がい者の方に対して「合理的配慮」ができているのかと考えさせられました。

・健常者であってもサポートをつけないといけない子も(確かに)いる。

・毎年継続して新年度の早い時期に、新入生に対して実施できれば望ましい。

・「障碍は病名ではなく、それぞれの抱える困難さや不安、悩みである」という言葉が強く印象に残りました。障碍は身体に不自由があることを示すのではなく、身体が健康でも何か生活に支障のあるものがあれば、それは障害になりうる。
この話を聞いて、これまで自分自身がもっていた考え方と全く異なる考え方ができるようになりました。この考えをもったことで、自分自身も障害を多少なりとも抱えており、他人事だったことが自分事のように感じ始めました。見た目や話し方で判断するのではなく、その人の性格をみて、全員が手を取り合って生活していけたらなと感じました。

2月5日 生徒

自分事への転換と見え隠れする本心

・自分の好きなことに没頭し、貫いている姿はかっこいい。
・他の人と同じ態度で接する。

・私達が普段何も考えずにしていることまで障害者の人にとっては大変なことがたくさんあるんだと改めて思った。障害者の人が困っているのに早く気づけるようになること(が必要)。

・話が上手くて楽しかった。

・ 障がいがある方への(自分の中での)視点が特別扱いから少し変わった。

・健常者の心の病や困難は外見では分からないので、(私たちこそ)本当に辛くなってしまう前に助けを求めることが必要だと思った。

・最初は障がい=大変そう と思ったが、(今日の話を聞いて)私達もできないことがあり、それは障がいと同じなんだと気付かされた。障がい者への印象が変わった。

・みんなと見た目が似ている人ほど SOS は出しにくいし、気付いてもらいにくい。だから気付いてあげられる人になりたい。成功体験も失敗体験もやがて自分の価値になる(と気付いた)。

経験は他者への処方箋

・辛いことがあることも、楽しいことがあることは程度や種類が違っても、それは誰にでもあることで、なくてはならないものだと思った。

・講演を聴く中で本当に障害があることを忘れるほどだった。「本当に辛くなってからは助けを求める勇気も残っていない」という言葉にとても共感し、「障害とは病名ではなく、日常の中の困難や不安のことで、誰もが持ってていいもの」「自分の失敗や成功が他人の力になる」というお話がとても興味深く、私の心の中の何かがフッと軽くなった感じがした。友達と話し合うことで考えも深まったし、とても楽しい講演だった。

・何も出来ない役に立たない自分でも、いろんなことに挑戦してみることで人生経験になり、その時の自分にしか感じれない感情を持つことができ、誰かに伝えても伝えなくても、自分が生きる理由のようになったら凄いことだと思った。

・障害を持っている方のためにアクションを起こそうとしても、お金や時間がかかったり、周りの負担になってしまったりする。また、その逆もありえると思うので、「対等・平等な関係になれるアイデアを考えるのが難しい」と感じた。

・今までの、これからの経験・出会う人を大切に価値のある時間を過ごしていきたい。そして、少しでも誰かの手助けができるようになりたい。

・当たり前にすべきだと思っていた配慮は、もしかしたら相手からすれば負担になったり気を負わせてしまう可能性があるということに気付いた。

・今はまだ夢がなかったり、うまくいかないことも多くあるけれど、それも強みに変えて頑張っていきたいと思った。

・「障がいは個性ではなく、生活するすべての人にある困難や悩み」という言葉を初めて耳にしたので、このような考え方は広めていくべきだと思った。

・私も見習って、今自分が出来ることを、後悔しないように全力で取り組んでいきたい。

・長野さんの言っていた、「自分の経験には価値がある。」という言葉がずっと心に残っています。いまのところ不自由なく生活できる身体で、何にでもチャレンジできるうちに経験できたことを、自分だけのものにするのではなくて誰かに届けたりできたらいいな。
また、本当に辛くなる前に SOS を出したほうが良いというお話を聞いて、もし友達が悩んでいることに気づいて我慢しているように見えた時、話を聞いたり助けられる人になりたい。

・人は、今までつらい経験を数えられないぐらいしてきているけれど、その経験で他の人を何百倍にでもして幸せにできるということ。

気付きを素直にぶつけてくれることが嬉しい

・現代社会でも、障害に対しての取り組みが思ったよりされていると感じた。

・(エレベーターを普通に生活できる元気な人が使用しているという話を聞いて)いつも何も考えずに行っていることが、障害者の方から見たら違った印象を持ってしまうこともあると分かった。

・なんでも手助けしなければならないと思っていたが、手助けの必要性があった際に優先することが大切。

・長野さんは自分とは違う生き方をしてきているけれど、( SOSの話を聴いて)「確かにそうだな」と思うことがたくさんありました。

・(自分も)嫌なこと、障害に囚われすぎず、それを忘れる楽しいことをたくさんしていきたい。

・今の時間、出会った人、これから出会う人、経験を大切にして過ごしていきたいと思った。助けを借りることは恥ずかしいことじゃないので、時に人の助けも借りながら、困っている人がいたら助けながら生活したい。生活していく上で相手を少しずつ知り、受け入れる心を持とうと思った。

・自分の成功や失敗は、貴重な経験であり、誰かの手助けになるかもしれないということを知った。「他人事は自分事」という言葉を意識して生活しようと思う。

・正直、この1回話を聞いたことで自分の何かが大きく変わったとは言えないけれど、障害ということや、合理的配慮の意味について考える良いきっかけになった。

・これからの人生で障碍者の方と少なからず関わっていく中で、 身体的特徴に相違点があるからこそ、精神的な面での共通点をたくさん共有したい。

・「自分の経験は自分しか知らないもので、それに価値がある」という長野さんの言葉に共感しました。私は他人と自分をよく比べてしまいがちで、本当に良くないなと自分でも感じていました。
だからこの言葉を聞いて、私の経験には価値がしっかりあってそれが誰かを助けたりすることができるかもしれないと考えることができるようになりました。

・今までじっくりと考えることのできなかったことについて友達や長野さんと考えることができてよかった。

・障害者の方は苦しかったりすれば見た目とかで分かるかもしれないけれど、私達は言わないと分からないから、この差が苦しいなと思った。

「ありのままの姿で、いつもと違う気づきを」

・障害のある人もない人も、お互いがありのままの姿でいられるような環境づくりをしていかなければいけないのかなと思った。
自分は「何かあったら言って」という言葉を言ったり聞いたりすることがあるけど、それでは遅いこともあるから、大事(おおごと)になる前に誰かに頼って、お互いが快適に過ごせるようになったらいいな。

・今まで、身体不自由の障がいの方々について「とても大変そう」や「普段辛い思いをして過ごしているんだろうな」と他人事のようにしか思っていませんでした。しかし、今回の研修を受けて考え方が変わりました。
長野さんは執筆家、講演家であることを知って、「障がいがあるから何もできない」というわけではないことに気づきました。長野さんは障がいがあったとしてもできることを見つけてらっしゃって素晴らしいと思いました。
また、長野さんは「障がいは『困難さ、不安、悩み、嫌なこと』だから皆もこの4つの同じ気持ちを知っている」というように説明されていたので、同じ人間として迎え入れることが(前より以上に)できそうな気がしてきました。
ですので、私も障がいの方々と同じ人間であり、自分だからこそできることを探していく権利があるのかもしれないと考えました。私はまだ「自分だからこそできること」を見つけていないので、これから探していきたいです。

・ 考え方次第で人生が幸せなのか不幸になるのか変わる。

・障害者は普通の人と区別されているイメージがあります。でも同じ人間だし、「1人ひとりが一生懸命生きてるから区別する必要なんてない」と思います。障害者だからと区別せず、また変に特別扱いせず、お互いに協力しながら接していきたい。

・(私たちの意見を共有しながらお話を聞けたので)勝手に自分で理解していたことも長野さんの意見を直接聞いたことで、知れたことが沢山あったのでよかった。

・障がいのある人達に対して大変そう、どう接すればいいかと思うことは多くありました。けれど、大変なことばかりではないと思いました。毎日生きていくなかで「経験することには価値がある」と自覚することがすごく大切だと思いました。それに、障害のある人もない人にとっても生きていくには1人では無理だし、SOS が必要な時があると思いました。

・ありのままの姿でいることや、自己と他者の違いを認め合うことが大切。

生徒の主体性は未来の希望

・もっと誰でも過ごしやすくなるような社会に、自分の世代がしていきたい。

・自分たちが何かをするというよりも、困ったときに頼りやすいという雰囲気作りが大事。

・障害をもった方でも、社会をよりよくするために色んなことに取り組んでいるから、それに自分たちもそれに応える必要があると思った。

・私は『障害者だから〜』『自分とは違うから〜』とは思ったことはないけれど、「大変そうだな」「可哀想だな」とは思ったことがあった。だけど長野さんの話を聞いて、「ちょっと違うところがあるだけで何も自分たちと変わらないんだ」ということを改めて理解することが出来た。
これからは、困っている人を見つけたら助けてあげるという当たり前のことはしっかりしつつ、関わる機会があったら少しでも障害者であるということを忘れさせてあげられるような人になりたい。

・偏見で決めつけてはいけないと思った。
・この講演をきっかけに私ができることを考えたい。

・どのような障がいを抱えてもあらゆることが可能になってきたし、今後はさらにできることが増えるだろうなと感じた。

・常に介護などが必要だから、傍にいたほうが良いのかと思ったけど、相手も相手の時間は欲しいし、「助けが欲しいときには伝えてくれる」ことが分かった。

「助けたり、助けられたり」
みんなのことも僕は助けたい

・何かをする時に、新しい自分を作って見せるのではなく、ありのままの自分を見せてもいいんだと思った。

・障害を持っている人がこれから来ても、学校の一員として仲良く接していけるように工夫していきたい。

・自分が何処か欠けていても、楽しく生活できることに気付いた。

・よく気にかけてあげるべきかと思っていたけど、反対に「ありのままでぶつかって来てほしい」と言われて、少し驚いた。

・私は障害を持っている人を見かけたら少し特別な対応をしなければいけないと思っていたけれど、過度な対応も障害を持っている人を傷つけてしまうことを知った。

・ 友達と話し合うことで、色々と多角的な面にとらえることができ、様々な意見を取り入れることができた。

・車いすの方が押戸だと使いづらいということは知らなかったので、私たちが当たり前に思っていることは、違うこともあるんだなと感じた。

・様々な考えとか特徴を持った人がいる中で、自分も含めて1人ひとりの違いを尊重できる世の中になればいい。

・「障害は自分事でみんなにある」という言葉が胸に刺さりました。私も大々的に見える障害を持っている人に偏見を持っていたところがあったため、自分にもあると知り、みんな人間でそれぞれの自分があるということを学べて良かったです。

これからは「 障害というのは身体的だけではなく精神的にもある」と考えることで凄く身近に感じ、他人事ではなく、自分にも該当してくるものだと感じました。

総括と報告

「4月に(ご依頼)いただいて1月に実施」

高校1年生の10ヶ月、青春真っ只中の彼らの成長を考慮しながら授業を創っていきたい。それが僕が出した唯一の要望でした。

だから(日々の関わりの中で)気付いたことがあったらすぐに教えてほしい、と。

そして、先生方との打ち合わせで導き出したグループワークのテーマが、【皆さんの同級生として叡明に長野がやってくる!(校内で)変えなければならないところはどこですか?】でした。

結果、「本当に高校生!?」と思うほど、多くの意見とたくさんの感想が寄せられました。何より、これは自分もあとで見るよと伝えていたにも関わらず、(終了後も)本音でぶつかって来てくれたことが何より嬉しいです。

「みんなもありのままの姿でいい。助けるだけじゃなくていい。助けて助けられて、支え合って対等に生きていこうぜ!」

先生方が生徒に伝えたかった想いは、確かに彼らに届いていました。
彼らの言葉を借りれば、これからがスタート。

魂込めて臨んだ未来の続きを、時に関わりながらこれからも見守っていきたいと思います。そのチャンスをいただけたことに、心から感謝します。

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