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捨てる

 この言葉にはどうしてもネガティブなイメージがつきまとう。
 しかし今、僕はそうは思わない。

 余計なものを省くことで大事なものが見えてくる。
「捨てる」という意思を持って片付け始めたのに、その場に残ったもの。
 これが今のあなたにとって本当に大事なものだと思うのだ。

 それは必ずしも物に限った話ではない。

 普段はメールが来るたびに気になって作業が途切れてしまう自分が、今そちらには目もくれず執筆に没頭している。
 人にどんなふうに見られるかという一切の邪念を捨てて、今この瞬間に書きたいことを書いている。
 だから止まらないんだろう。楽しいんだろう。

 人生に無駄な経験はないが、目の前の「やりたい!」に邪魔になるものはある。 他者からの制止、誘惑、嫉妬…。

 それらを捨てる。

 衣替えの季節。

 着ないと思った服を捨てた時、見えてくるのはその服への愛着だけではないはずだ。
 残した色はあなたの気持ちを映しているかもしれない。
 残った型は無意識のうちに、あなたが似合うと思っているスタイルに気付かせてくれるかもしれない。

 捨てることで見えてくる景色。
 それは新しいものを受け入れようとする自分の器なのかもしれない。

(2019.5.16 ありのままの自分)

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