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東京での念願の対面から1週間足らずで、約束の大阪再会が本当に実現しちゃった件〜大阪出張 冬の陣(3)〜

「本当にまた会ってくれるのかな…?」

それが偽らざる気持ちだった。

2021年12月3日のたった1日を、まさかの3本立てでお送りする第3弾!

(第1弾・第2弾の様子はこちらから↓)

もはやライフワークである学校訪問を無事終えて、大阪弾丸ツアーもいよいよラスト数時間と終焉が迫る中、僕のミッションはもう1つあった。

大阪に行くことがあったら必ず連絡しようと思っていた人。関西での再会を約束していた人。遠方からずっと応援してくれている田中美奈さんとの再会には、ちょっと信じられないドラマがあった。

初対面からわずか1ヶ月で、僕たちは再会した

悲願の対面を果たしたのは、つい先日のことである。

「東京に行く予定ができました…!」

そんなお知らせを受け取り、急いでお店を予約したのは11月のとある夜。

近県での予定を終えてわざわざこちらまで来てくれると聞き、その時できる精一杯のおもてなしをさせていただいた。

普段からたくさんの人の力を借りて生活している僕にとって、(自分の一存だけで動けない日もあるから)夜の予定を確保することが実はけっこう難しかったりする。思いに反して泣く泣く諦めることもある。

でも、その日は奇跡的に空いていた。自分の意思で動くことができた。それだけでもう運命…。

その時の様子が気になる方はこちらを見てほしい。

帰り際、「今度は関西で会いましょう!」(長野)「その際には私が大阪まで行きますね^^」(田中)

こんなふうに約束していた。それからわずか1週間足らずで、本当に長野の大阪行きが決定してしまったのである。

つながったそもそものきっかけは”共通点の多さ”

東京での対面を果たすまで、僕たちのやりとりは終始SNSだった。

最初のきっかけは3年前、お互い応援している団体が同じだったことにまで遡る。

そんな些細なきっかけでやりとりを始めた私たちは、次第に共通点の多さに驚き始める。

・特別支援教育にゆかりが深いこと(受け手と学び手)
・障害児(者)福祉に従事した経験があること
・現在フリーのライターをしていること

悲願の初対面に向けた布石を作るべく、今年に入って2度Zoomで対話の場を設け、教育・ライター談義に花を咲かせてきた。互いの気持ちが分かること、理解し合えるその時間は間違いなく、未知のウイルスがもたらした閉塞感を少しだけ緩やかにした。

そして真っ先に浮かんだのが美奈さんだった

そんな折、僕は待望の2冊目を出版した。

「次は出版記念イベントをやりたい!」

これは、初作出版直後からの僕の密かな目標だった。

だから…。

自分で企てた^ー^

(同様のイベントは)普通なら出版社や感銘を受けた第三者が企画してくれるのが普通なのかもしれない。しかし、時はあの東京オリンピック、無観客開催の真っ只中。

さすがの僕でも彼らより有名じゃないってことぐらいは、分かる(笑)

だから、パラリンピックが終わった後にやろうと決めた。

(障害者の、障害者による、障害者アスリートに対する、最大にして最低限のリスペクト…!)


さて、問題は誰とやるのか。そこで思い浮かんだのが美奈さんだったというわけ。

「話せば話すほど共鳴する心地良さ」

ちがいを認め合うことはもちろん大事だし、(Ryo室空間も)ずっとそれを大切にしてきたけれど、一世一代の出版記念イベントだもの。

どうせやるなら”絶対的安心感”のもとでやりたいと思った。(これは僕のワガママだけど)同じく相手にも安心感を届ける覚悟で。

その覚悟があったから、彼女には「好きなようにやってほしい(何を聞いてもいいよ^^)」と言った。

それでもあなたに光をスポットライトを…!

団体を運営し、Ryo室を主催し続ける中で僕に起きた変化。

9月(3)

それは、自分が目立ちたいという欲求が回を追うごとに薄れてきたこと。

「すべての人にスポットライトを…(当てたい)!」

そんな想いがだんだんだんだん強くなってきた。もちろんすべての人が喋りたいわけではないことも分かってる。そして、引き立てる=喋る機会を与える、ではないことも。

だからコメントを拾う、その人の存在の大きさを(こちらが)さりげなく伝える。

やり方はいくらでもあると誰よりも信じ、その挑戦を諦めたくない。続ける限りは先陣切って、高い壁に挑み続けたい。

そんな僕が大切にするのは、何よりも雰囲気づくり。安心できる空間が相手の心を解きほぐす。その先に心のさらに奥深く、本根が見えると信じている。心・技・体ならぬ、心・技・対話。

だから前半は、自ら聴き手を買って出た。インタビューライターの美奈さん相手に自ら聴き手を買って出るという、(恐れ知らずの)「長野 真夏の大冒険!」(笑)これが長野流の”ゴン攻め”、オリンピックムーブメント^0^

今やって後悔するか、今やらないで後悔するかを天秤にかけ、僕は前者を選んだのだ。

※「今やって後悔するか、今やらないで後悔するか」は、日々言葉を扱う僕が自らを導く行動指針の1つで、前作でも詳細に解説している。
※「真夏の大冒険」ならびに”ゴン攻め”は、今夏の東京オリンピックから採用された新競技【スケートボード】にて、実況アナウンサーと解説者がそれぞれ発した言葉である。

なぜ、そんなにも謙虚でいられるのか?

ところで、美奈さんと話しているといつも不思議に思うことがある。僕にとって最大にして唯一の謎。

それは、9月のようなイベントにしても、1対1で対話をしていてもいつも感じること。

なぜ、そんなにも謙虚でいられるのか?

イベントで僕が1つボールを投げれば、「質問していただきありがとうございます…」

心からの賛辞を送れば、「もったいないお言葉、恐縮です」

さらに、そんな姿勢を素直に誉めれば「そんなふうに言っていただき、光栄です」といった言葉が、いつも何度でも僕の全身に降り注ぐ。

そこにある、相手への圧倒的感謝。

自身も日々誰かに助けてもらうことが圧倒的に多い身であるが、恥ずかしながらその謝意の数と熱量は美奈さんの足下にも及ばない。

僕なら正直、ずっと頭を下げていたら疲れちゃう。1回くらいは「ありがとう」「ありがとう」言っている自分に「ありがとう」と思ってほしい(言ってほしい)と思ってしまう(笑)

でも、きっと美奈さんの中には頭を下げるという感覚はないのだろう。それが、当たり前に自分の中に染みついている(自然な)行為として表れているだけ。

やっぱり僕は、まだまだだなぁ。

そんな2人の”ちがい”

ここまで、私の人間的な未熟さを明らかにしたところで最後にちょっとだけ真面目な話。

9月のイベント、そして11月と12月、美奈さんと立て続けにお話しさせていただいて思ったことは、「それはインタビューライターだからこそ成せる技でもあるのではないか」ということ。もしくは職業病…?

何はともあれ、理由はどうあれ、ご本人にまったく意識がないとしたら。そんな素敵な振る舞いが無意識でできていたのだとしたら…。

本当に敬服するし、まさに仏のような人だと思う。


自分の人生を題材に、自身の身の回りで日々巻き起こる社会問題やハートフルストーリーを切り取り、圧倒的な熱量とごま塩ほどのユーモアで伝えることを仕事にしているのが私。日々奇跡的に皆さんから『障害を忘れられる瞬間』を与えていただいているおかげで、Try chanceの姿勢を貫くことができているのだと痛感する。

対して、インタビューライターである美奈さんの仕事は「(取材対象者である)他者の魅力を伝える」こと。「(その必要がないのであれば)極力記事の中に自分の感情をのせる必要はない」とおっしゃっていたのを聞いたことがある。「相手の魅力を伝える文章の妨げに、自分がなりたくない」って。

※あくまでも主役は取材を受けて下さった方ということを忘れず、その方の想いが最大限伝わる文章を書きたい。だから、記事の中では書き手としての自分を読み手の方が強く感じないような文章を書くことを意識しているという。

このように、自身が題材の主体者として読者の自分事に寄り添うことを目指す長野と、対象者のストーリーに寄り添い、”正しく”届けることを目指す美奈さんのスタンスのちがい。


この辺についてはまた今度、僕が(立場を超えて)美奈さんにインタビューしてみたいと思います。

以上、濃密すぎる大阪出張の模様をたくさんのお土産話と、1万文字の文章に代えて。


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長野 僚への講演依頼はこちら↓

9月のイベントレポート(※Ryo室ブログ)

田中美奈さんが9月のイベント出演後に書いて下さった記事はこちら↓


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