弱さと真正面から向き合った時、手にするのは強さではなく優しさだと思う
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弱さと真正面から向き合った時、手にするのは強さではなく優しさだと思う

活動すればするほど、聴こえてくるいろんな声。自信を持って前に進めるのは間違いなくポジティブな”応援の声”で、不安や葛藤が生まれてくるのが一見するとネガティブに感じる戸惑いや疑問といった”心の声”。

そんな自分たちにとって耳を塞ぎたくなるであろう声にも真摯に向き合っている団体がある。それがNPO法人soar(代表理事兼ウェブメディアsoar編集長の工藤瑞穂)さんだ。

世の中がオンラインイベントへと大きく舵を切った今年、幸か不幸か全国から一斉に集うことができるようになった。リアルでは一堂に会することができなかったメンバーが”場”を共有することができる。すなわち、それだけ多様で様々な価値観を持ったメンバーがそこに”いる”。見えるけど、見えない。

コミュニティを想像する難易度は格段に上がったと言っていい。

「soarはキラキラしているから、見るのがつらいんです…」

あるイベントの最中、チャット欄にそんな書き込みがあったそうだ。その参加者は顔を隠して(画面をOFFにして)いたという。そこから連想させるのは今年多発した特定の誰かへの誹謗中傷。”見えない”からこそふいに下がってしまった相手への攻撃のハードル・・・。

しかし、工藤さんをはじめとするsoarメンバーの皆さんは違った。soarが日々創っているのは顔の見える、いや顔も見ることができる選択肢を持ったコミュニティだ。

※近頃開催するイベントの多くはzoomを使用。画像と音声、音声のみ=声だけでの参加、視聴のみなど、その時々に応じた(本人の気分に合った)参加形態が用意されている

色んな声があることや、自分たちの想いを届けることで(その対岸にいる)誰かを傷つけてしまう可能性があることを存分に自覚した上で、「なぜ自分たちが『その人の可能性が広がる瞬間』を届け(捉え)続けるのか」を丁寧に説明したそうだ。

ともすれば自分たちの存在意義が揺らぎ、否定されかねない状況で逃げずにその”場”で向き合う。これは、なかなかできることではない。

その結果、その方が最後にチャットに残した「答えてくださってありがとうございました」という言葉はきっと、敬遠から歩み寄りへの変化の一歩だったに違いない。

なかったことにするのではなく、あったことから弱さを自覚すること

soarに背中を押され、「自分も好きなことをして生きていいんだ!」と希望が差した3年半前。それから想いを確かめては固めてを繰り返しながら、僕もこの春に団体を立ち上げた。

Try chance

世間がコロナ化で混沌とする中、社会に向けて何かアクションを起こす。(何をやるか以前に)それだけでもう十分に大きな挑戦だった。

挑戦すれば道は拓ける・・・!

どうなるかなんて分からないけど、目標を持って挑戦し続け、自分と出会ってくれる仲間たちを大切にしていればきっと不可能を可能にできる。

僕がここまで生きるためにたくさんの方から教わったこの”事実”を、なんとかして今、(このメッセージを)本当に必要としている人たちに届けたい。

前身となる講演会をボランティアメンバーと始めたのがちょうど1年前の12月。以後、1月2月と回を追うごとに参加者は増え、ひと月を終える度に「一緒にやりたい!」と想いに共感してくれるメンバーも増えた。2人で始めた講演会スタッフは3ヵ月後、4人になっていた。ここまでは順調だった。

「明確なビジョンを持ち、きちんと説明できさえすれば人は思いのほか賛同してくれるんだなぁ」(もっと早く行動を起こせばよかった)

これが当時の僕が抱いていた素直な感想だった。しかしこれ以降、事態は一変し、噛み合っていたはずの自分たちの歯車も少しずつ狂い始める。

まず、言わずもがなご存じのとおり新型コロナウイルスの流行である。3月になると会場で開催していたイベントはできなくなり、中に入ることさえできなくなった。手探りで3カ月間続け、やっと軌道に乗ってきた矢先、さぁこれから!という中での路線変更を余儀なくされたことは、正直堪えた。

「月末にはみんなで集まってロゴを決めよう!団体発足を告げるYouTubeを撮ろう!!」など、やりたいことはたくさんあった(が、すべて中止)。何より今年に入って僕と出会い、懐いてくれている少女と定期的に会えなくなること、それを伝えなきゃならないことが辛かった。

とはいえ、立ち止まっている場合ではない。次に考えたのは「メンバーはこの事態をどう思っているのか」ということだった。すぐに1番最初から支えてくれているメンバーに相談し、想いを伝えた。すると、すぐに「可能性があるならやったらいい。サポートする」と言ってくれた。こうして僕は直ちにオンラインへの切り替えを決意し、3月を乗り切った。

ただ乗り切っただけではない。オンラインでの開催となっても少女は欠かさずイベントに来てくれているし、休校中には家族ぐるみの付き合いとなり今ではオンライン授業もできる仲だ。4月から【Ryo室空間】と銘打った参加型の講演会イベントには、高知や広島、神戸から参加して下さる方もいる。当初は仕方なく始めたオンラインだったが、オンラインだからこそできることがあると痛感する日々が今はある。

自分たちと現状の限界を知って始めたオンライン。秋からは毎回ゲストを募ってコミュニティ創りをしているが、まさに人に歴史あり。それぞれの人生から学ぶことは本当に多い。

やることが目的になっていたと気付いた時、目的を見失いそうになった

1人では難しいけれど、声を上げアクションを起こし誰かのために挑戦を続けていると、人は手を差し伸べてくれる。そんなことを届けるために団体を立ち上げた自分が、団体を運営する過程で誰よりもそれを感じている。

Try chanceのメンバーは年齢も経験も境遇も実に多様だ。もともとは参加者だったし、長野が掲げる理念に共感してそれをサポートするために集まって来てくれているから当然と言えば当然である。団体を発足する時や何かをやろうとする時、何となくその多くが同世代で似たような境遇の人たちというイメージがあったけれど、自分たちはちがう。

これもTry chanceの特異性だと思う。

そんなメンバーや素敵な参加者に囲まれ、気付かぬうちに僕に芽生えた過信・慢心。それに気付いたのはすでに事態が表面化したあとだった。

あなたの文章は意味がわからない。いつも理解に苦しむ。それが辛い・・・。

メンバーからそんなLINEが来たのは、秋も深まったある日のことだった。やってしまった、と思った。

イベントそのものはもちろん、ミーティングもすべてオンライン。より良く丁寧に、と思うあまり1回のミーティングが2時間を超えることも少なくなかった。今となっては思うところはたくさんあるし、おそらく多くの読者の皆さんも感じているのは「リアル(会場で)のイベントよりもオンラインイベントの方が疲れる」ということ。

会場と違って途中で手を挙げたり席を移動したりといった動きはないし、(双方向の対面で進めていこうとすれば)終始画面の範囲内に留まることを求められる。何より、オンラインでは普段と景色が変わらないため気分転換が難しい(どうしても生活音は聞こえるし、誰かから呼ばれれば一旦中断せざるを得ない)。リモート特有の音声トラブルもしかり。必然的に従来のイベントよりも繰り返すことは増えるし、長くなればなるほど目は疲れていく。

そして、先に述べたとおりTry chanceのメンバーは年齢も経験も境遇も実に多様だ。それぞれの生活時間も大きく異なるため、事実、夏が過ぎた頃からは会議の時間を確保することも難しくなってはいた。「限られた時間でテンポよく」を意識するあまり、僕は自分でも気付かぬうちに互いが自由に発言できるだけの余白=”遊び心”を忘れてしまっていたのだと思う。

事務的で一方的なコミュニケーションにさらに拍車をかけたのが、自身が送っていたLINEだった。対面でのミーティングをコンパクトに効率よく行うため、事前に議題内容と趣旨を文章にして送っていた。丁寧に伝えようとすればするほど長くなる文章。その反面にあるこれだけきちんと伝えているんだから分かってくれているはずだ、という独りよがりの“誤解”。無意識のうちに「主語と述語が抜ける時がある」という指摘がすべてを物語っている。

これからどうしよう・・・。

気付けば、目的を実現するための1つの手段だったイベントは、なんとしても毎月続けなければいけない”ノルマ”になっていた。それからは何のためにイベントをやるのか、その目的を明確にするための議論を一層大切にしている。

目的を見失いそうになるギリギリのところで踏みとどまってから2ヵ月。今も新しいスタイルを模索している途中だ。

自分たちらしい挑戦を続け、『障害を忘れられる瞬間』を今、本当に必要としている多くの人へ!

この2ヵ月はゆるさを取り戻すことを意識しながら、それぞれのペースを自分の中に取り入れる日々。この間、メンバーとしては離れて新たな距離感で関わることを決意した者、自主的に大切なことを伝えてくれた者、ずっと抱えていた想いを吐露してくれた者など、それぞれがそれぞれの言葉で団体の今と向き合ってくれた。

対面ではなく自由に書き込める場所を作ってよかったと思う。

来年1月からは新メンバーを迎える。困難さは悩みを共有した今、引き続きみんなの力を借りて少しずつ歩んでいく。不安や嫌なことがあっても共有できる優しい組織を目指して。

来年はもう長野僚のサポート団体から卒業したい!参加者とメンバーがより自分らしくいられるコミュニティになるために。


※この投稿は、NPO法人soar代表の工藤瑞穂さんの人との向き合い方に感銘を受け、弱さを共有する勇気をいただいて執筆したものです。迷いながらも今年最後に客観的な自分と向き合って綴った記事。

等身大の今を読んでいただけたら嬉しいです。


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長野 僚

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「障害を忘れられる瞬間」を届けたいと願う執筆家・講演家。『Try chance』を立ち上げ【Ryo室(良質)空間】の運営に力を注ぐ。行動指針は~挑戦すれば道は拓ける!~  著作は2冊。最新刊は『日々是幸日ー想えば価値!ー』 https://try-chance.net/