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三重視察と伊勢志摩バリアフリーツアーセンターで学んだこと

友人に誘われて、おととい昨日と三重県に飛んだ。目的は「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」の視察だ。
20年前にバリアフリーツアーセンターなるものを立ち上げた、国内バリアフリー先進地区から、その手法を学ぼうというもの。もちろん僕の視点は当事者として。

(尚、今回こうなった経緯というのはここでは割愛する。理由は、僕がそれだけシンプルかつフラットな状態で出向いたから。事前情報もほとんどなく純粋な状態で同行したからこそ、見えたもの、得られたことというのがたくさんあったように思う。)

もし友人がnoteでレポなどを書いた際には、この場でシェアするのでお許しを…。

以下、先ほど先方に送ったメールを掲載し、今回の旅を簡単にまとめたいと思う。

バリアフリーツアーセンターに送ったお礼メール


伊勢志摩バリアフリーツアーセンター
事務局長 〇〇様
シニアマネージャー 〇〇様
事業プロデューサー 〇〇様

お世話になっております。
5/11に電動車椅子でお世話になりました長野です。

先日はお忙しいところ歓待をいただき、たくさんの貴重なお話をお聴かせ下さいまして誠にありがとうございました。
伊勢志摩バリアフリーセンターが築いて来られた20年の歩みや皆様の熱い想いを感じるとともに、やはりバリアフリー施策に障害当事者の声を取り入れていくことが極めて大切なんだと、身に沁みて実感し直しているところです。
また、旅館改修の過程で「本音をぶつけ合ったことで立場(境遇)の異なる当事者同士が互いに譲歩し始めた」というお話は、大変意義深く、興味深いものだと感じています。

また、「当事者だけでなく一緒に行った方々すべてが楽しめなければ次はない」「こうした層(障害者や高齢者を含むグループ)を取り込むことで集客の維持、ひいてはアップにつながる」というところは、私も強く強く共感するところです。自分だけが楽しむ旅行なんて絶対に嫌ですからね(笑)


その一方、今回の旅の道中(バリアフリーセンターとは関係のないところ)で残念な対応がいくつか散見されたことも事実です。

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まず、名古屋から特急で鳥羽駅に向かう際、近鉄の駅員さんが車両の乗降口の幅を把握しておらず、電動車椅子の寸法を伝えても「たぶん乗れないと思う…」の一点張りで切符の購入が遅れたこと。
→ギリギリの到着になってしまったのもそのためです。申し訳ありません。

続いて昨日、【おかげ横丁】から鳥羽駅方面に向かうために五十鈴川駅までバス(きゃんバス?)を利用した際、停車時に乗車の旨を伝えて頷いたにもかかわらず、友人たちだけを乗せて発車。乗車拒否されそうになったこと。
→慌てて停めに行った友人には「乗るんかい!」と言い放ったそうです。さらに降車時にその運転手は(障害者割引の対象ではない)もう1人の友人の支払いを疑い、「払った??」と語気を強めて問い正してきたのでとても残念な気持ちになりました。自分が見ていなかっただけなのに…。

【おかげ横丁】の各店舗の皆さんにはとても良くしていただきました。雨に濡れないよう席を確保していただいたり、感謝です!

伊勢うどん
本場の「赤福」
松阪牛握り 1貫750円‼︎


最後ですが、宿泊したホテルを予約しようとした際、電話した私にキレてきたこともちょっと信じがたい体験でした。
→1度目は予約状況とバリアフリールームに関する問い合わせ。2度目の電話で予約をしようとしていたのですが、急遽友人への確認事項が発生したため電話を切ろうとしました。しかし、その旨を伝える前に一方的に電話を切られてしまったため、やむなく友人に予約を取ってもらいました。
ホテル自体は良いところでしたし、昨日チェックアウト時に鉢合わせたその人も感じ良く挨拶はしてくれたので、たまたま虫の居所が悪かったんですかね(…苦笑)
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これらの一件も含めて改めて、トップ(この場合はバリアフリーツアーセンター)の想いを企業や市民レベルまで浸透させていくことは、労力と何より時間がかかることだと実感しています。
私も引き続き”魅せられる当事者”として自身の活動に注力し、積極的に旅もしていくつもりです。


追伸…夕食時の候補として教えていただいたお店がすべて満席で入店が叶わなかったため、(伊勢神宮参拝も含めて)またリベンジしたいと思います(笑)
この度は本当にありがとうございました。また再会できることを楽しみにしております。

まずは当事者の声を取り入れること。僕たちが発信すること。


とにかくこれが大切だと、再認識できた旅でした。「みんなの想いに価値がある!」と信じ、これからも等身大の発信を心掛けようと誓う”今”です。

今回のお話の中で特に印象に残ったのは、旅館の改修にあたって当事者の声を聴こうとなった際、最初は”バリアフリー基準”を巡ってケンカ(言い争い)をしていた車椅子・視覚・聴覚・他の人からは気付かれにくい(目には見えない)障害当事者の方たちが、議論を続けていく中で相互理解を深め、いわばともに真のバリアフリーを追求する同志として「ここはお前に譲るよ」などと譲歩を始めたというエピソード。
当事者でも立場のちがう当事者のことは分からないことを表す象徴的なシーンだと感じる一方で、だからこそ色々なモノを手掛けていただいている多くの健常者の皆様にはぜひ、その道のプロフェッショナルであるたくさんの当事者の声を1人でも多くの当事者から聴いていただきたいなと切に願います。

もちろん僕自身、「何かあった時にはこの人に意見を聞きたいな!」と思わせる魅力的な人間でいられるように、これからも活動を続けていきます。

豆知識

ところで、伊勢神宮には【式年遷宮】といって20年に1度、「社殿と
神宝を新調して大御神にお遷り願う神宮最大の神事」があるそうです。
前回の立て替えは2013年。これまで、そこから数年はどうしても落ち込んでしまっていた総参拝者数を、障害者や高齢者とその家族といったグループ層を取り込む努力を続けてきたことでなんとか食い止め、その比率は比率は比率は0,1%→0,2へと上昇させることができたそうです。

車椅子が動けば人も動く。
もしかして、経済効果の浮沈は僕たちが握っている!?
(…なーんて^^)

バリアフリーツアーセンターに献本させていただきました


活字で!声で!! 実体験を届けます。


いただいたサポートは全国の学校を巡る旅費や交通費、『Try chance!』として行っている参加型講演会イベント【Ryo室空間】に出演してくれたゲストさんへの謝礼として大切に使わせていただきます。