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継続は力なり

 昨日は感情むき出しの記事を公開しましたが、今思い返しても中学時代は自分の感情を揺さぶられるような体験や出来事が多かったな、と思います。

 今日もそのうちの1つをご紹介することにしましょう。

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 自ら考えて勉強する習慣が身に付いたのは、間違いなく中学1年生の時の担任のおかげです。
 しかし、第一印象は最悪でした。風貌はまさしく「強面」といった印象で、私は毎日怒られるのではないかという恐怖さえ感じていました。既にご存じのとおり、隣のクラスは後に私が恩師と慕う今の私より年下の若い女性の先生でした。保育園や小学校時代も含めて、それまで女性の先生しか担任になったことがない私は余計に驚いてしまったのかもしれません。入学式を終えて母とともに学校を後にする際、担任に挨拶するやいなや「怖そう」と呟いたのも今となっては笑い話です。先生はまだすぐ後ろにいましたから、もしかしたら私の呟きも聞こえていたかもしれません。
 後になって聞いた話ですが、先輩のお母さんに母がその先生が担任になったことを告げたところ、その先生は確かに厳しい面はあるものの、ベテランで指導力もあり面倒見がいいと評判で、羨ましがられたそうです。

 さて、入学式後の私の声が聞こえたかは定かではありませんが、翌日から先生の印象は一変しました。話をしてみると確かにユーモアたっぷりで面白く、外見とは打って変わって、とても優しい先生だったのです。それは決して、養護学校(現特別支援学校)特有の無条件の優しさというわけでなく、「意欲があり努力したものは評価する」というスタンスでした。
そんな先生から教わったのは、「自主学習の楽しさ」でした。私たちの担任をして下さった1年間、先生は常々「中学生は自分で勉強するものだ」とおっしゃっていました。人から言われてやる勉強はつまらないけれど、自分でやる勉強は楽しいという信念のもと、私たちのクラスにはある課題が課せられました。  
 それは、A4見開き1ページ分の「日記」を書くこと。左側のページには1限から6限までその日の出来事や学んだことを書き、右側のページは自主学習として、その日の授業の復習でも、自分が興味や関心のある事柄を調べてまとめるでも良し、教科書の問題を予習するも良しといった具合です。「最初は辛くても、慣れてくればやらないと気持ち悪くなってくるから」と言われ、最初は信じられませんでしたが、気付けば毎日これをやらないと何となく消化不良のようなもどかしさを感じるまでになっていました。
 結局、私は担任が変わってからもこの日課を続け、中学卒業までの3年間「日記」を書き続けました。最後まで継続したのは私だけでしたが、おかげで自主学習の習慣が身に付き、大きな達成感を得ることができました。

「継続は力なり」という先生の教えこそ、私に学ぶ楽しさと、1つのことを最後までやり遂げる忍耐力を教えてくれた私の原点です。

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*今ではこんなノートを自分で作り、楽しみながら言葉をストックしています。

 続けることの楽しさを学んだのは中学1年生であり、間違いなく1つの転換期になっています。

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