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そこの君、女性スタッフとのコミュニケーションに悩んでない?

女性社員を多く抱える男性の経営者や管理職の方にとって、男女間のコミュニケーションや人間関係の悩みは多いのではないだろうか。

かく言う僕もその1人だった。僕はある飲食店で8年間店長として勤めた。僕以外は全員女性スタッフだった。でも僕はある方法で、女性スタッフの中でも男1人で8年間楽しく仕事をすることができた。

この記事は女性スタッフとのコミュニケーションや人間関係について悩める経営者や管理職の方もしくは男性の皆さんに、何かしらの気づきを与えられたら嬉しい。

∇前提として

このnoteを書くにあたって少し前置きを。

先日ある記事を見た。「早稲田ウィークリー」というWebサイトで、女装パフォーマーのブルボンヌ氏(新宿2丁目にある『Campy! bar』のプロデュース、セクシュアルマイノリティの祭典「東京レインボープライド」の総合司会)と、早稲田大学文学学術院の森山至貴准教授(著書に「LGBTを読み解く」)との対談だ。

近年、マツコ・デラックスをはじめ“オネエ“タレントの存在も一般的になり、男性カップルの日常を描いたドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京)や、男たちの三角関係を描いたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日)などが、深夜ドラマながら異例のヒットを記録。さらには海外のリアリティーショー『ル・ポールのドラァグ・レース』(Netfrix)、『クィア・アイ 』(同)の人気も手伝って、かつては“日陰”の存在であったセクシュアルマイノリティに対して、少しずつ理解が広がってきました。早稲田大学にも2017年から、ジェンダー・セクシュアリティに関する学生のための支援施設「GSセンター」が開設され、多くの利用者が訪れています。

とあるように近年、セクシャルマイノリティに対して少しずつではあるが理解が広がり、世間に認知されるようになった。

対談の中でブルボンヌさんはこうおっしゃっていた。

ー「失礼のないように」がすでに失礼!「LGBT」を腫れ物のように扱わないで。
ー「LGBTを知ることで人生観が広がる」といったプラスの方向に受け止めてほしい

僕もわかっているつもりだがどうしても「失礼がないように」と思ってしまう自分がいる。でも対談のブルボンヌさんの言葉を見ると、「LGBT」に対する理解を深めていかなくてはいけないと思った。
多様な性があっていいじゃないか。「白か黒」じゃなくて、「※東京レインボープライド」の名にもあるようにグラデーションのあるレインボーな世界でいいじゃないか。

※「特定非営利活動法人 東京レインボープライド」は、「らしく、たのしく、ほこらしく」をモットーに、性的指向および性自認(SOGI=Sexual Orientation, Gender Identity)のいかんにかかわらず、すべての人が、より自分らしく誇りをもって、前向きに楽しく生きていくことができる社会の実現をめざしています。
公式ウェブサイトより

僕自身は「LGBT」に対しての違和感は無くなってきているが、もっと多様な性について深く理解しないといけないと感じている。性の違いを理解し、互いに歩み寄り、多様性を受け入れていく。そしてすべての人が認め合える魅力的な世界にしていかないといけないと感じている。

なぜこのような前提を書くかというと、今から書く記事には「オネエ言葉」という言葉が出てくる。これは僕の語彙力が少ないのもあるが、一般的に分かりやすい表現としてこの言葉を使用させてもらっている。※漫画「ドラえもん」でのび太がよく使っているような言葉だと想像してもらえたらいい。

以下に書いていくが、「オネエ言葉」は僕を救ってくれたいわば恩人である。

こんなことを書くと「腫れ物のような扱い方」をしているように見えてしまうが、そういった僕の見解を踏まえてこの記事を読んで欲しい。不快な思いをした方がいたら指摘していただけると助かる。

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では本題。

∇まず男女のコミュニケーションの違いを理解する

男性管理職の立場だと、女性スタッフとの何気ないコミュニケーションがきっかけで、一気に現場の雰囲気が崩れてしまうことはないだろうか。マネジメントの立場としてはとても悩みの種だと思う。

なぜそういったことが起きてしまうか。
これは男女の思考によって、コミュニケーションの違いが生まれているから。

BPLabo Woman」というサイトを運営されている行動心理・パーソナリティ分野を研究されている大森 篤志氏(「働き方改革・女性活躍推進」に関わる講師・専門家としても活動されている)の記事がとても参考になったので引用させていただく。

大森氏によると、

・男性にとってのコミュニケーション=「何かを得ること」が目的
「問題点を明確にする」「アドバイスを求める」など「何かを得ること」が目的、つまり損得感情でコミュニケーションをとっている。
・女性にとってのコミュニケーション=「思いを共有すること」が目的
女性は、人との関わりによる心の共有を重視している。損得感情でコミュニケーションをとっていない。

僕がまとめると、

・男性は言葉を議論などに使う
・女性は言葉を共感に使う

そのため、男性はわりと論理的で攻撃的な印象があり、女性は繊細な感性を持っているので、男性のきつい口調だと喧嘩が起きてしまうことが多いのではないか。

まずはそういった男女のコミュニケーションに違いがあるということを理解する。

∇男女間の関係を円滑にする最重要ツールとは?

とはいってもマネジメントの立場としては、
・いかにお互いが気持ちよく働けるか
・いかによい人間関係を築けるか 
がポイント。
それによって組織の士気が変わってくる

そんな男女間のコミュニケーションの悩みを払拭するのが「オネエ言葉」
※漫画「ドラえもん」でのび太がよく使っているような言葉だと想像してもらえたらいい。

「オネエ言葉」男性的口調を打ち消し、女性的な表現をすること

僕にとって、「オネエ言葉」は男女間の関係を円滑に運ぶ最重要ツールだ。

マネジメントという立場上、どうしてもコミュニケーションを取らないといけない。ただ「男性」と「女性」、そして「店長」と「スタッフ」という垣根を作ってしまうとコミュニケーションが円滑にいかない。

組織を一つにまとめるには、女性スタッフたちと一体感(ONE TEAM)になる必要があるため、やや中性的な立場をとる。簡単に言えば、「お友達」になるのだ。

以下はオネエ言葉の一例

「そうよね」「あんたがやんなさいよ」「あたし」「そうかしら」「〜わよ」「〜だわ」「あら」「〜なのよ」「〜わね」「あらどうしたの」「うんうん」「〜だもん」「ちょっと」「もう」etc...

こう言う言葉遣いの代表としては尾木ママこと尾木直樹氏なんかは最たる例ではないだろうか。

∇「オネエ言葉」の使い方

経験上、女性に向かって男性的な口調で頭ごなしに叱ったり意見をいうと、相手にしてもらえなくなる。かといって立場上、何も意見を述べないわけにもいかない。

ただ「オネエ言葉」で話すと、不思議と言いにくいことがオブラートに包まれて表現することが出来る。なぜか何を言っても嫌味にならない。攻撃性が抑えられ、ソフトで穏やかに会話を楽しむことが出来る。

伝えたいことが伝えられるのだ。

これはもう使わない手はない。

以下は例

・身だしなみについて注意する場合
男性言葉「髪の毛が出てるからちゃんと帽子に入れて」
オネエ言葉「あら、髪の毛出ちゃってるわよ、ちゃんと入れなさいよ〜、もう」

・商品の陳列に問題があった場合
男性言葉「ここは横に配置したほうがほうがいいだろ」
オネエ言葉「アタシは横に並べたほうがいいと思うけど、アナタはどうかしら?」

・お客様への挨拶の声が小さい場合
男性言葉「ちゃんとお客様に大きな声で挨拶しないと」
オネエ言葉「ほらそんなちっちゃな声じゃ聞こえないじゃない?アタシはアナタの声もっと聞きたいわ」

などなど

ダイレクトに意見を伝えずに、少し遠回りし、柔らかく、少しユーモラスに伝えることが大事。

あと上級テクニックだが、語尾に「♡」を想像して話すとより良い効果が現れる。また語尾を伸ばすよう心がけるのも良い。

僕は経験上、上から押し付けるように命令したって誰もついてこないと思っている。みんながそれぞれの意見を持ち、それを理解し合いながら自主的に動ける空気を作っていくのがマネジメントの仕事だと思う。

僕は女性だけの職場だったため、人間関係をいかによくして、みんなに助けてもらいながら、お店を一つにまとめて、同じ方向に向かい、業務を遂行していくかを考えた結果、この「オネエ言葉」が編み出された。いや自然とできるようになっていた。

「そんなの俺には無理だ」と難しく感じる方が多いかとは思うが、この際そんなプライドは捨てて、少しずつでいいから「オネエ言葉」を使ってみたらどうだろうか。使い続けていると、勝手に女性の気持ちがわかるようになる(妻にはわかってないと言われそうだ)

以下効能について。

∇「オネエ言葉」の効能

・女性の気持ちが知らず知らずにわかるようになる
「オネエ言葉」を続けていると、次第に距離が近づき、安心感を持ってもらえるようになる。そうすると色々と打ち明けてくれるようになるので、女性の気持ちが知らず知らずにわかるようになる

例えば「女性の日」などのデリケートな話も普通に打ち明けてくれるようになるので、スタッフの体調にも気を使うことが出来る。どうしても男性ではわからない、女性に必ず訪れる定期的な体調不良や気持ちの浮き沈みなどを素早く察知できるのだ。もちろんこちらから言ったり聞いたりするのはご法度。打ち明けてもらえるような信頼関係になることが重要
・上下関係がなくなる
リーダーやマネージャーというと、いかにも頂点に立って引っ張っていくイメージ。そうなると自然と上下関係ができ、なんとも話しかけづらい雰囲気になる。お互いが何を思っているかよくわからず、知らず知らずの間にボタンを掛け違え関係がギクシャクすることがある。

ただ「オネエ言葉」を使い続けていると、いつの間にか対等の立場として接するし、接してもらえるようになる。普通にツッコまれたり、意見を言ってもらえたり、共感してもらえるようになる。相手が何を考えているかも理解できるし、それでわだかまりが無くなり、お互いに気持ちよく働ける環境になる。どうしても接客業だと職場の雰囲気がお客様に伝わるため、楽しく働ける職場づくりを心がけた。
・自分の感情をコントロールできるようになる
どうしても人間は感情的になってしまうことがある。いかんいかんと思いながらも、つい。でも「オネエ言葉」を意識すれば大丈夫。自ずと相手にどう伝えようかを考えるクセがつき、一旦感情を抑えることができるようになる

まず意見を頭の中で「オネエ言葉」に変換し、女性だったらどう言われたら気持ちいいかを考える。そうすることで感情を一旦整理し、冷静に対応することができる。

まとめ

どうだろうか?女性スタッフのいる職場で「オネエ言葉」を使わない手はないと思わないか。まずは変な男のプライドは捨ててしまうこと。そして相手と上手に関係を築こうという意思と、何事も相手と素直に向き合おうという姿勢が大事だ。そうすることで組織がまとまり、より良い職場環境になると僕は確信している

冒頭にも関連してくるが、性の違いを理解し互いに歩み寄り、多様性を受入れることが、より良い社会、世界を作っていくと思う。まずは隣にいる人からはじめようう。そうすればきっとグラデーションの美しいレインボーな世界になると信じている。

なぜ僕がオネエ言葉を使うようになったか…

僕は就職してすぐに女性スタッフだけのお店で店長となった。もちろん店長や飲食店は初めてで、ほぼ新卒同然。何もできないペーペーだった。社会人としての実績も信頼もないペーペーがいきなり店長になるのだから、それはそれは当時のスタッフには迷惑をかけた。みんなからよく不満を言われ、上にも怒られ、人間関係は最悪だったと思う。みなさま申し訳ありませんでした。

しかし、入社してしばらくした僕は当時いたあるスタッフのモノマネをした。その口調がわりと「オネエ言葉」だったようだ。

このモノマネをしながらスタッフと接していると、みんなが笑顔で色々と話してくれるようになった。場がとても和んでいき、みんなが助けてくれるようになった。
それを機に女性スタッフと話すときは、必ず「オネエ言葉」を使うようにした。

もちろん恵まれたスタッフのおかげで、僕は8年間も女性のなかで楽しく働くことができた。色々とご迷惑をおかけしたが、本当に感謝しています。ありがとうございました。


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