ターミネーター2
1980年代後半〜1990年代の映画たちが原体験の私にとって、タイトルの「ターミネーター2」および「ターミネーター」は鮮烈な体験として記憶と思い出に残っている。
同じ時代の映画体験をしていたのは私だけでなく兄、弟、妹の3人。
シリーズ1、2とあるが、子ども心にビリビリきていたのはもちろん2のほう。
1でヒールだったシュワちゃん(アーノルド・シュワルツネッガー)演じるT-800が2ではヒーローになり、T-2000という圧倒的強大な敵にボロボロになりながらも立ち向かい倒し、最後は自らの存在の抹消をもって戦いを終結(Terminate)させる…
この感情を持たない戦闘アンドロイドが魅せるエモーショナルな物語に私たち兄弟は興奮しまくったのである。
ちなみに興奮しまくっていたのは3人のうちの兄、弟2人。小学男児にとってシュワの筋骨隆々ボディは「北斗の拳」の登場人物たちそのものの現実だった。
(オレはいつか北斗神拳を使える…)と当時の子どもたちの抱いていた夢想が如く、鉄棒で殴られようが銃で撃たれまくろうが、平然とした顔(無表情)でハーレーに跨りショットガンをブチかます。
爆破されたビルの窓から警官隊にとり囲まれながら、ガトリングガンをブチかます。
「Stay here. I'll be back.」
「Hasta la vista, baby.」
どのシーンにもどのセリフにも私たち兄弟はビリビリきまくって、ターミネーターごっこを飽きることなく繰り広げていた。
特にチャララーラーラーラー…のBGMが流れる中「good bye.」と言って溶解炉へTerminateしていくラストシーンと、
オープニングのターミネーターが未来から現代に裸で片膝付きという姿で降り立つシーン。
このラストシーンを湯船で再現 →→ お風呂上がって身体を拭いたら全裸でオープニングシーンを再現という「ターミネーター2」という2時間17分全編への作品愛を全身全霊をつかって体現していた。
それにしても1についてはここまでまったく触れていないが、あの頃も1については触れられる要素が少なかった気がする。
敵味方がハッキリしないし、とにかく追いかけられるだけのストーリーは子どもにはわかりづらかった。
2でT-2000の液体金属がCGでヌルヌル動くのに対して、1のT-800はストップモーションでカクカク動く。その動きも妙に怖かった。
親子でみるには気まずいベッドシーンもガッツリあるし、もう少し母は配慮できなかったんだろうか…?
けれどもその比較も理解できなかったストーリーも、小学生から中学生になるにつれて理解するようになり、長男の私が中学生になるにつれターミネーターごっこもいつの間にかやらなくなっていった。
4歳の息子を持ったいま、息子がもう少し大きくなったら一緒に「ターミネーター2」を観て、一緒にお風呂に入ったら、お風呂からあがったら、一緒にターミネーターごっこをやることを夢想している。
余談。
小学生の頃、無意識だが走っているときの指をピンと伸ばした手の振り方をしていて、その姿があの敵役T-2000に似ている。と揶揄されたのが本気でイヤだった。だけど周りは冗談でからかっているのが分かっていたので、笑顔で対応していた。
当時の同級生にはこの記事を読んでもらって、本気のターミネーター愛を知ってもらい謝ってほしいと思う。
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