日記・電話に出たくない

 ささやかな希望から始まった月曜日はゆったりと終わった。

 海に着く。今日は波が規則正しい。高さはあるけれど荒々しくない。海を眺めているうちに波の違いが分かり始めている。

 ロマンチックな時間は長くは続かない。携帯電話が鳴って、なんの用事なんだろう、電話はやっぱり嫌いだ。相手はだらだらとしゃべるし、その間ぼくは人の話を聞き続けなきゃいけないし、それってメールじゃダメなんですか?と聞きそうになってやめる。彼らはメールが打てないから電話するのだ。

 そんなことってある?と思うかも知れないが、そんなことってある。スマホに文字を打ち込むのも簡単ではない。音声入力を使用したりしているらしいが、長い文章を書くのには多分向いていない。せいぜい一文、でもいまは音声入力も発達しているから上手に文字に起こす。

 文章を書かないことが普通になっている人からの電話はまず出たくない。そういう人は何度もかけてくるし、電話の内容も要領を得ない。

 仕事なので仕方なく電話には出る。くどい話を聞くのも仕事のうちなのかも知れない。でもやっぱりメールで欲しい。文字を使ってほしい。



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