日記・穴の近くから

 あれ、言いましたっけ。会社辞めるんすよ、多分。

 明日、辞めるにあたって一番大事な話し合いがあるので、どんなふうに話を持っていけばやめられるだろうなぁと考えている。

 辞める理由がはっきりしているので、とりあえずそれを伝えて、あとはどうにか引き留めの言葉をかわし、締結。できればいいなと思う。

 なんか、もしかしたらめちゃくちゃいい条件を言われて会社に留まっちゃうかもなー、なんて思っているけれど、でもその条件は十中八九あり得ないので、まぁ多分辞めることになる。

 なんかね、ふと思ったんですけど、毎月決まったお金が入って来なくたって大丈夫なんですよ。なにが大丈夫なんだって話なんですけど、大丈夫なんですよ。

 僕はその毎月入ってくる決まったお金のせいで縛られていて、でもその金額がもう僕を縛っておく理由にはならなくなってしまったんですよね。奨学金は払い終わったし、車のローンも終わった。

 だからあとは自分が生きていくだけのお金さえあればいい。わざわざ苦しんでまでもらう金額じゃなくなってしまったってわけです。お給料もらい続けて苦しむなら、お給料もらわないで楽になったほうがいい。

 それをわりと早い段階で気づいたんですよね。あと半年働いていたら多分もう会社を辞めるって判断もできなかったと思う。労働に疲弊して、会社を辞めてそのあとどうやって生きてくかなんて考えられないくらい。

 だから元気なうちに辞めようと思いました。元気なうちに辞めるって言ってもここがタイムリミットです。辞めるまでの仕事をスムーズに全てをそつなくこなし、仕事の引き継ぎや辞めたあとの手続きなど、どれをとってもエネルギーが必要です。だから疲弊しきって「限界」が来るまで待っていてはいけない。

 辞めるための余力がギリギリ残っていたので「辞める」判断ができました。多分、辞める判断ができないところまで落ちていってしまったら、もう這い上がれなかったと思う。落ちるところまで落ちたら、穴の底からここへ戻ってくるには時間がかかりすぎる。

 僕は一度落ちるところまで落ちたことがあります。だから自分の限界が分かる。まだ落ちていく穴のヘリにギリギリ掴まっているな、と分かって穴から離れることにしました。

 無事、穴から少しずつ離れていくことができています。でもそれは近いうちに「会社を辞める」という前提があるからで、仕事を続けるとなったらまたその穴に吸い込まれていく。だからもう仕事を辞めると心に決めています。 

 それが果たしてどこまで伝わるのか分かりませんが、とりあえず明日、一番大事な局面を迎えるのでどうやって穴から逃げようかと考えつつ、まぁなんとかなるだろ、と思って眠ることにします。



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