日記・いないのにいる人、いるのにいない人

 亡くなった人のことをまだこの世のどこかにいるんじゃないかと思う時がある。しかしそれはいないからいると思うのであって、この世にいる人にはいると思う前にそこに既にいる。

 逆に生きている人も意識に上ってこなければいるのにいないような気がする。いないような気がするというよりは、もう会うことがないと言えば良いのか、死んでいないから会おうと思えば会える訳だが、会うイメージにたどり着かない。

 実際に存在する世界と僕が認識できる世界に差があるのは常なので、いないのにいる人といるのにいない人が現れるのはある種当たり前のようにも思う。

 しかし現実と乖離している内容が人の生死に関わるので納得できない。これは事実とは別に感情的な問題であって、分かり切っているのに分からない。

 なんだかそういう問題ばかりなのではと思う。事実は分かり切っているが感情的に是としない。感情がどうあろうが事実はありありとそこにある。事実と認識の捻れに立ち淀んでいる。

もしよろしければサポートお願いいたします。