日記・「小僧」が口癖の人の話を聞きそびれた

 飲食店に入ったところ、隣の席の2人組のうちの1人がやたらと「小僧」と言うので耳をそば立ててしまった。

 とにかく口癖らしい。他の言葉はうまく耳に入ってこないが「小僧」という言葉だけはやたら耳に入ってくる。話の内容は分からないが「小僧」と言っている。

 膝小僧とか、一つ目小僧とか、そういう小僧ではないらしい。ましてや象の子ども、子象でもないらしい。とにかく「小僧」らしい。

 試しにウィキペディアを参照してみる。

本来は大僧への対義語であり、「しょうそう」と読む。戒行に欠けた僧、修行が未熟な僧の意味で、私度僧の称でもあった。また僧侶の謙遜語としても用いられた。

そこから転じて、若年や年少の僧を指すようになり、平安中末期には修行が未熟という蔑視的な意味でも用いられるようになった。

ウィキペディア”小僧”の項目より

 話をうっすら聞いているとどうやらこの”修行が未熟”という意味らしかった。

 もしかするとお寺の人なのかも知れない。しかし、ちらと髪型を見ると坊主ではない。むしろその対極、そこそこのロン毛だ。

 調べてみると坊主でなくてもいい宗派もあるそうである。これはやはり僧侶か、あるいは僧侶に近しい人なのかも知れない。

 たとえば、親が僧侶で、子どもの頃に「小僧」と呼ばれていたとする。たしなめられる時に「小僧」と、未熟であることを指摘されたのかも知れない。

 親の口癖が移ってしまうというのは自分にも心当たりがある。日がな親の言葉を聞いていれば仕方のないことである。

 しばらく「小僧」と繰り返したのち2人組は去っていった。結局、話の筋は分からなかったが、これはもしかするとありがたい説法を聞きそびれたのかも知れなかった。



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