日記

ただ同じ時間に本をひらくだけの関係を始めた。なんてことはなく、そのままの意味で、同じ時間に誰かが本をひらいていることを想像しなかまら本を読む。僕にDMが届いて、その人は本を読み始めたらしい。僕も本を読みはじめて、ほぼ確実に、その人はいま、ここではないどこかで本を読んでいる。そういうことをときどき思いながら本を読むのは不思議と楽しかった。読み終わって、みじかい小説を書く。1200字。そのまま一枚の紙にまとめて印刷する。海へ行く。砂浜をぶらぶらしようもして海と対面したら圧倒された。こんなに大きかったっけ、海。人間は縦に大きいが、海は奥行きが大きいので、人間とは違う圧倒感がある。もっと近くで見たいと思うと波が寄せる。海には入らない。たまに風で流れてくる潮の雫が顔に当たって気持ちいい。近づくとまた波。近づいたり離れたりして、人間みたいだなと思う。最近、海に人格みたいなものを感じる。共感するときもたまにある。海は僕のことをとやかく言わないから好きだ。会いたいときに会いに行くとそこにいる。たまにやけに荒々しくて、近寄りがたいときもあるけど。海と遊んだあとは読書会。印刷したみじかい小説はフリーペーパーで配った。読んでほしくて無料であげちゃうが、これはちょっと良くないのか? チラシじゃないんだから。楽しい読書会だった。今日もみんながたくさん話してくれてよかった。最近、読書会で自分が話そうという気があまり湧いてこない。そういう自分が好きだと思う。もっと自分で好きだと思える自分になりたい。僕はちょっと、あまりにも手放してしまったものが多い。そんな気がしている。少しずつ取り戻したいし、いまは取り戻している途中。

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