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日記・明日の武道館が怖かった

 昨夜放送のNHK『SONGS』を先ほど仕事から帰ってきてから見た。 YOASOBIの回だ。

 明日の YOASOBIの武道館のライブ、実はちょっと怖かった。今日1日中ずっとなんとなく怖かった。

 それは新型コロナウイルスがどうとかではなくて、 YOASOBIがいまを駆け抜けていく速度が速すぎて追いつこうとすればするほどどんどん遠くへ行ってしまうのだった。

 日々新たに発表される情報の数々、先日は作家4名とのコラボレーションが発表された。4名の作家が予想以上にビックネームで本当にびっくりした。

 掬い切れない量の情報の前で途方に暮れてしまった。僕はそれらの情報を満足に知らないまま武道館へ行くのか。ライブ前日の興奮を飛び越える大きさの不安が渦巻く。

 そんな気持ちの中、昨日の『SONGS』を見た。昨年の紅白歌合戦に YOASOBIが出演した映像が流れる。実は紅白での YOASOBIの姿を初めて見た。

 そしてようやく忘れていた感覚を思い出した。テレビ初パフォーマンスの『夜に駆ける』を歌い出すikuraちゃんの声を聴いて「僕はただ音楽を聴きたいだけなんだ」とやっと気づいた。

  YOASOBIは様々なコンテンツと繋がり、それは「novel into music」の言葉そのままの体を成す YOASOBIゆえなのだが、僕はその取り巻きにばかり気を取られ、第一に楽しむべきは音楽であることを忘れていた。

 僕が明日、武道館に聴きに行くのは音楽だ。それがどんな流れを汲むものだろうが、ライブなのだからその場で繰り広げられるパフォーマンスを直に受け取る、それだけだ。

 初めてYouTubeの『夜に駆ける』の動画の再生ボタンを押した時みたいに武道館の門をくぐればいい。 YOASOBIの楽曲に初めて出会った時と同じように、音に耳を傾け目の前の景色に魅せられればいい。

 連日、 YOASOBIの武道館へのライブに盛り上がっていく中でこんな気持ちになったのは多分僕だけなんだと思う。なんだかよく分からない感覚だ。

 ライブ会場へ足を運ぶのも、開演までたくさんの観客と一緒に固唾を飲んで待つ時間も、開演の幕が上がる瞬間も、そして最後の1曲を歌い終える瞬間も、経験したのはもう随分前のことで感覚を思い出せない。

 まっさらな気持ちで武道館に行けることが嬉しい。「初めまして」、そんなところだ。





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