日記・2時間

 朝から雨ばかり、やる気の糸が湿気にやられてたわみ、必要に駆られ洗濯機を回し始めたのは午後の4時だった。

 夕方、暮れているのか分からない太陽から差す雨雲越しの光が窓を通して部屋に入っている。洗濯機は洗濯から乾燥に移行しドアの向こうで唸っている。表示を見ると乾燥が終わるまで2時間かかる。

 2時間かかって乾燥した衣類やタオルを手に入れたとして、その2時間はどこへ行ってしまったのか。2時間あればどこまで行けるのか。2時間がもたらす効能を細部に至るまで分解して解き明かしたくなる。

 2時間は常に横たわっている。時間を2時間巻き戻してみて、そこからの道のりを思い出してみればそれが2時間である。しかし横たわる2時間をうまく認識できない。

 これから先の2時間も横たわる2時間も同じ2時間という量で存在していたしこれから起こる予定になっている。なんだか蜃気楼みたいだ。

 いまはあまり言葉に近づきすぎると毒をもらってしまいそうなので深く考えないことにする。おやすみ。

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