日記・音楽は再構成される

 ふと、音楽はその人の中を通って届くものなのだと思った。

 通っていく中身は心と言い換えてもいいかも知れないし、あるいは耳とか脳とか、具体的な器官に置き換えて考えてもいいかも知れない。

 先日YOASOBIのライブBDで武道館のライブの映像を見た。それから今日改めてYOASOBIの楽曲を聴くとそのライブの光景やその時の感覚をありありと思い出せた。

 サブスクで聴く音楽はいつだって同じ音楽を再生するようにできていて、同じ音楽を聴いているはずなのにその体験はその時によって違う。

 それは、いうならば音楽はそのまま音楽のまま僕に届くのではなくて、音楽を聴いた僕が僕なりにその音楽をもう一度再構成して聴いているんじゃないかと思う。

 自分の中ですらそうなのだから、他人と自分であればもっと大きな差が生まれるんじゃないかと思う。もしかしたら同じ音楽を聴いていても同じようには聴こえていないかも知れない。

 そういう意味でライブは僕の中に音楽を聴くときの大切な手がかりになっている。ライブの感動を日常に持ち帰って、イヤフォンで聴く音楽にライブの興奮が乗る。

 多分、音楽に物語が付加されるとその音楽の体験は心をより強く揺さぶるんだと思う。『はじめての』を読んだ後に聴いたYOASOBIの『ミスター』もそうだった。

 もしかしたら音楽に物語を求めているのかも知れない。あるいは、物語があると感情がより強く動いて、それが音楽と結びつくのかも知れない。

 


もしよろしければサポートお願いいたします。