日記

最果タヒさんの『落雷はすべてキス』を海辺で読んだ。海のことを書いた詩がいくつも出てきて、それだけでもよかったのに、帰り際に空を見上げたら上弦の月が出ていて、ちょうどこの詩集のはじまりの詩が『上弦の月の詩』だった。今日ここで読むべき本だったんだ。そんな本、めったに出会えない。詩を読むのは苦手だった。もう過去だ。この詩集ははじめからおわりまでずっとうれしく読めた。読めるのがうれしかった。はじめて好きな本に出会ったみたいな感覚。今日みたいな日は何度も来ない。人生であと何回、こんな日を味わえるだろう。なにもかもどうでもいいって思えるうれしい日。

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