日記・人慣れした川魚

先日、盛岡に行ったとき、川がとても綺麗だったことを思い出した。

街中に流れている川に鮭が遡上してくるらしく、鯉のぼりならぬ「鮭のぼり」という鮭の形をした鯉のぼりのような布でできた鮭が川沿いにたなびいていた。

あまりに川が綺麗で、川に沿って歩いていると川魚が木の影に群れになって集まっているのを見た。手を伸ばせば届きそうな距離にいる魚は人慣れしているのか僕が近づいても逃げない。

ふと、テーマパークのハトやスズメを思い出した。彼らは人間が怖くないのか、人を避けようとしない。むしろ人に寄ってくる個体もいる。

どんな生き物も、人に慣れれば人を恐れなくなるのではないかと思う。魚がそうなのだから、たいていの動物はそうだろう。

あの魚たちは盛岡の人々に愛されているんだなと思う。食べられるためというよりは、生き物として、人間は地面を、魚は川の中で生きて、それぞれ別々に、もしかしたら魚も魚で「あんなに大きな体で、僕たちを少しも食べようとしないなんておかしな生き物だ」と思っているのかもしれない。


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