日記・まだ感想を話す首が座ってないみたいだ

 いつも行くカフェで今日はインスタレーションの展示をしていて、いつもと違う雰囲気を味わえたのでとても幸せになってしまった。

 作者の方が今日在廊していたので少しだけお話をした。展示の感想とインスタレーションの展示にも有効なこのカフェの素晴らしさを話した。帰りに声をかけようとしたけれど別のお客さんが来ていたようなのでやめた。

 なんだか最近いろんなアーティストの方と話す機会があって、僕は鑑賞側でしかも素人で、どういう言葉で話したらいいか分からない。素直に感想を話す以外ないんだけど、知識がないことを改めて感じさせられる。

 だからやはりせめて言葉だけでも使えるようにしておかないと、と思っている。作品を鑑賞するにあたって、目の前にあるそれは一朝一夕に存在しているのではないし、そう思うと作家個人の厚みやその領域の幅を感じられる気がする。そういう堆積の上にあるものを見ている気がする。

 なんというか、知識のないまま話す感想は本当に個人の素の感想そのままだ。自分の感情を取り出して、できる限り言葉に変換して、それがその領域の持っている前提と異なっているか分からないまま、その見えない前提に敬意をなるべく払って自分はこう思うと話す時、無知だなと思う。

 僕はその辺りは柔軟なので、というか素人という特権を縦横無尽に走らせて、無知です、無知ですが僕はこう思いますと話したりする。なかなかの図々しさだ。でも実際そうだから仕方ない。

 いまだに感想を話す時のスタンスがよく分からない。生きているとそのうち分かってくるんだろう……。

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