日記

今日は東京で読書会。あっという間の一日だった。一日の内容が濃い。すべてを覚えていられないのは人間らしくて好きだ。忘れて忘れて忘れて、忘れた先に覚えていること、ふとしたときに思い出すことが美しいと思う。今日のことをどんなふうに思い出すだろう。ああなんか、僕は自分の記憶力を愛している気がする。覚え方、忘れ方、思い出し方。どんな癖があるのかなんとなく分かっているから、記憶力、というより、記憶についてのあらゆる動き。記憶そのものよりも、記憶が流れてゆく道のかたちが愛おしいのだと思う。ここはまっすぐで、ここは行き止まりになっていて、ここは崖っぷち、この道は川沿いで、ここは山の天辺につながっている。おもしろいなぁ。記憶そのものはわりとどうでもよくて。記憶までの道のりにどんな道があるか、なんとなく見えている。もちろん見えないことのほうが多いけれど、それは実際の道も同じようなもの。その記憶までの道を知っていることもあるし、全然知らないこともある。つくづく、僕は自分の内側についてとても興味があって、でもその答えは自分の内側だけにはないのだと思わされる。

もしよろしければサポートお願いいたします。