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一通目 #宛先のない手紙

最後にあなたに会ってからもうかれこれ3年が経つでしょうか。先日久しぶりに友人を通じてあなたの話を耳にしました。地元に戻って元気に働いているそうですね。テキパキと仕事をこなして生き生き働いている姿が目に浮かびます。

あなたとは様々な場面で関わることが多く、たくさんの思い出があります。その中でも特に、その後の自分の人生に大きな影響を与えてくれた出来事がありました。

みんなの不満を避けてなあなあに終わらせるべきか、不満が出るのを承知でやるべきことを貫き通すのか、迷っていたときにかけてもらった言葉です。

「組織を良くするために必要だと思うのなら恐れずにやりなさい。中途半端にしてると自分を信じてついてきてくれている人を裏切ることになる」

この言葉にハッとさせられました。それまでの自分はみんなにいい顔して争いを避けるタイプ。でもそれでは本当に組織をよくすることはできない。そのことに気づかされてからは、常に理想の組織のあり方を求め、自分の信じた道を貫くことができるようになりました。

その姿を自ら体現し、自分自身にも厳しかったあなた。男女問わず人気があって、みんなから信頼されていましたね。そんなあなたは私の憧れであり、最も尊敬する人でした。

自分もそんな人間になりたい。いつかあなたに追いつけるようにとここまで走ってきました。まだその背中は遠いだろうけど、次に会えるときにはあの頃から少しは成長した姿を見せられるかな。そのときが楽しみです。



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