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二十通目 #宛先のない手紙

君とはもう長い付き合いになるね。今でも毎年集まっているのは、君を含めて数人だけだね。

なんでこんなに仲がいいのかわからないけど、当時からずっとつるんでいたよね。最初に仲良くなったのもどんな経緯か全然覚えてないけど、いつの間にか自然と一緒にいるようになっていたね。

君のことはほんとにすごい奴だなーって当時からずっと思っています。天才肌のくせにちゃっかり人の見えないところで努力してるところは、尊敬を通り越してちょっと憎いくらいです(笑)

その後順当に東大に合格し、大学で遊んでいるように見せかけてちゃんと成績を残し、希望の道に進んで大学院まで卒業し、一流の企業に就職した君は、ほんとにしたたかですね。

他人から見たら絵に描いたような理想の人生でしょう。自分もこれくらい器用に生きれたらなと、心底羨ましく思います。

でも、自分にもありえたそんな道を捨てたのは、紛れもなく自分自身です。そこに一切の後悔はないし、その選択をしてくれた過去の自分に感謝しています。

お互い全然違う道に進んだけど、今でも定期的に集まって近況を報告しあい、応援しあえる関係って素晴らしいなと思います。みんなが結婚しても家族ぐるみで付き合える関係になれたらいいね。

そういえば彼女とはどうなのかな?そろそろ結婚?近々良い報告を聞けるのを楽しみにしているよ。次に会うのは正月かな。それじゃあまた。




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