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十一通目 #宛先のない手紙

君とはいつの間にか一緒に働いていて、いつの間にか異動していなくなっていたね。結局一緒に働いた期間は1ヶ月半くらいだったのかな。

最初君に会ったときは、前にいた子と顔も雰囲気も似ていて、「あれ、就職したのに辞めて戻ってきたのかな」と思ってしまいました。

高校を卒業してすぐに社員として就職し、北海道から上京してきた君。まだ働き始めて数ヶ月なのに、接客のスキルの高さには舌を巻きました。飲食店で働くより、テーマパークのキャストをする方がさらに自分の力を発揮できるのではないかと思うほどでした。

いつも明るく元気で常に笑顔を絶やさない姿は、サービス業に携わる者の鑑です。そういうところはまだ若いながらもとても尊敬しています。ちょっとドジでお馬鹿さんだけど、それも愛嬌があっていいと思います。

君は僕のことを同い年くらいと思って接してくるけど、僕からしたら君は娘みたいな存在です。将来娘ができたらこんな子に育ってほしいな、とひそかに思っていたりもします。

異動して戻ってきてくれないかなー。またいつか一緒に働ける日を楽しみにしています。


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