見出し画像

五通目 #宛先のない手紙

正直あなたのことは最初苦手でした。初対面で「りょーまくんって人見知りだよね」と言ってきたり、「私のこと苦手でしょ?」って聞いてきたりするところとか。相手の本質を鋭く見抜くような目をしていて、自分にとって相性最悪の人だと思っていました。

初めて一緒に仕事をしたとき、みんなの成長を期待してあえて厳しい言葉をかけてくれましたね。この歳になってあんなに厳しいことを言われることがなかったので、驚くと同時に嬉しくなったのを覚えています。厳しいことを言うほうも辛いだろうし、本来なら言いたくないと思います。それでも、最高の仕事をするために必要なことはしっかり伝える。そういう姿勢にとても感銘を受けました。

そのとき、あなたが自分の仕事に懸ける熱い想いと、それをずっと支えてきたというプライドを強く感じました。そして、この場所はそんな人たちがつくり、ここまで育ててきた場所なのだと、あらためて実感しました。今自分が、ずっと憧れだったこの場所で、こんなにも素敵な人たちと一緒に、こうして仕事できていることがたまらなく幸せです。

あなたからもっといろんなことを学びたいと思っていた矢先、あなたが少し離れた土地で新生活を送るという話を聞き、とても驚きました。少し寂しい気持ちはありますが、あなたの新たな門出を祝福し応援しています。あなたが最後の挨拶で語ったこの言葉をずっと胸に刻んで、次にお会いできたとき成長した姿を見せられるように精進します。

私はここにいる人たちだけが幸せになるのは嫌なんです。ここにいる人たちがそれぞれ自分の場所で、周りの人たちを幸せにしてほしい。そのために今日の決意を忘れず、ココカラ一歩踏み出していってください


サポートいただいたお金は今後の創作活動に使わせていただきます。ありがとうございます!!