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二十六通目 #宛先のない手紙

お元気ですか?って、ついこの間会ったね。3年振りくらいだったけど、相変わらず元気そうで安心したよ。変わったことと言えば、君がだいぶふくよかになっていたことくらいかな。

君とは4年間一緒だったからたくさんの思い出があるね。同じ釜の飯を食い、楽しいときも苦しいときも長い時間を共有してきたね。でもこの前会うまでは、君に手紙を書くなんて思いもしなかったよ。

お互い自衛隊を離れ、地元に帰って地方のテレビ局に就職した君。聞くと報道部に配属され、なにか事件が起きると昼夜問わず現場に出向き、時には警察のガサ入れについていく、ずいぶん多忙で過酷な仕事に就いていました。

この3年でいろんなことを経験してきたんでしょう、自分の仕事に誇りと自信を持っている姿が印象的でした。自分が信念を持って制作した放送のことを誇らしげに語る君は、すごく眩しかったです。

そして、来年の部署異動を前に必ず形にしたいと話してくれた企画のこと。ここでは書けないけどどちらも素敵すぎて、今までマスメディアを信頼していなかった自分には、こんな想いを持って作っている人がいるのかと感動しました。

ウェブメディアのライターをしている僕と、テレビ局というマスメディアで報道する君。同じようにメディアに関わる人間として、こんなことも話してくれましたね。

「これからは何をするにも信頼が大事。マスメディアは会社がそれを担保してくれるけど、個人だと自分自身で積み重ねなきゃいけない。大変だけどその分やりがいも大きいよね。この人が言うんだったら確かな情報だ、って言われるのって最高じゃない?」

まさに君の言う通りだと思います。様々な情報が溢れかえる現代社会。その中で個人が発信力を持つためには、正確な情報や有益な情報を発信し続けて信頼を積み重ねる。その一言に尽きます。そうしてファンや応援してくれる人が増え、さらに多くの人に届けられるようになる。

僕もこの2年でいろんな経験をして成長してきたつもりだったけど、君はそれ以上に様々なことを経験して成長してきたんだね。3年前とは見違えるほど輝いていました。

自衛隊を退職した同期がこうやって活躍していると、嬉しくなると同時に、自分も負けてられないなと身が引き締まります。これからもお互い切磋琢磨していこう。次に会う日を楽しみにしているよ。




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