マーケティング書籍 要約プレゼンの公開

こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。卒業式もなく、入社後もこんな事態でうだうだと過ごし、実感がない中で私は働いています。こんなふわふわした気持ちではいつか致命的なミスを犯してしまうのでは、という不安を抱えて今日もあしたも仕事に行きます。

さて、今回は以前作成したパワポを公開したいと思います。
ある事情があって3つの本をパワポにまとめました。目的を果たしたあと、そのままにしておいてもよかったのですが、なにかもったいないような気がしてしまいました。なのでその一部を公開したいと思います。

自分自身のアウトプットになると共に、誰かのインプットになってくれれば幸いです。これから紹介する3つの本はどんな分野で働くにしても必要になってくる視点が述べられた本であったと思います。

なお、こちらの要約は完全に内容を包括している保証はないので、悪しからず。ザクッとまとめたので読む場合は軽い気持ちでどうぞ。
そして興味を持った方がいたらぜひ購入して読んで頂けたらと思います。


ファンベース

ヒトが減りモノが溢れる現代で、ファンというものがいかに大切なのか、という本書。実例や実践的な内容が含まれ、読みながら自分ならどうするか、とか考えながら読んでました。

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ファンベースとは、ファンを大切にして中長期的に売上や価値を上げていく考えのことです。この考えが必要になってきている背景として、以下の3つの背景があります。

①売上のほとんどをコアなファンが占めているということ(上位20%の顧客が80%の売り上げを生み出している、というパレートの法則)
②ヒトが減り、モノが溢れ、そして情報が溢れていることから、新規ファンにむけた施策は届きにくくなっている、という現状
③モノや情報が溢れている現状から、友人などの口コミや勧誘が強い影響力(信頼感)を持つことから、ファンが新たなファンを作ってくれる現状があること

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ファンベース施策としてのアプローチは3つに分けられます。

①共感のアプローチ
ファンの言葉に耳を傾けることでファン本位の「愛されているポイント」を大事にしていくこと、
ファンは自分が本当にファンであることに自信がないもの(自分の価値観や選択肢に自信がある人はごくわずか)なので他のファンの言葉に触れやすくすることで「他の人もこう言ってるし」という気持ちでヒトにお勧めしやすくさせること、
ファンを優遇し「あなたは大切な顧客です」と知らせること。

②愛着のアプローチ
ストーリーやドラマを纏わせ、他に代えがたいものにすること、
ファンとの接点一つ一つを大切にし丁寧に扱うこと、
ファンになった人の行き場を作り企業や商品ブランドの体験を増やしていくこと。

③信頼のアプローチ
対応の一つ一つを誠実にすること、
内部を見せて人間的な側面を感じてもらうこと、
社内の信頼=社外の信頼なので、身内(社員)を一番のファンにすること。

こういったアプローチをキャンペーンなどの短期施策と組み合わせることで大きな効果を発揮することができる、としています。
こういった広告は、例えばYoutubeの広告のような「妨害型」広告ではない「提供型」の広告であるため、顧客に対して悪い印象を与えないものとなります。

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ポジショニング戦略

いまはモノの良さやイメージの良さで売れる時代では無い、どう消費者の頭の中に自分の商品やサービスを位置付けるか、といった本。
ポジショニング、という観点に特化した内容で、こちらもまたどんな場面でも必要な考え方だと思います。

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昔ははモノがよければ売れる時代だったのが、イメージを確立しないと売れない時代になり、そこからさらに進んだ現代では、モノや情報が溢れ、「消費者の頭の中にポジションを築かなければならない」時代になっています。

消費者の頭の中にどう商品をポジショニングしていくか、つくる側の目線ではなく、消費者の目線で考えることが必要になってきています。

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では実際にどうポジショニングしていくか、以下の10点にまとめました。

①一度消費者の中にポジションを確立されたものを動かすことは非常に難しいので、なによりもまずはそのポジショニングに一番乗りすることが大事
②一番乗りできなかった時は、直接対決はまず勝ち目はないので、別の道を探す
③言葉というのは非常に大事、製品名にしろキャッチフレーズにしろ言葉選びは慎重に
④つくる側の都合は消費者に全く関係ないので、消費者の目線を大事にすること、また、アイデアを議論する客観的な存在を持つこと
⑤リーディングカンパニーの共通点はマーケティングスキルとかではなく、「ライバルがポジションを固める前にチャンスを掴んでいる」こと

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⑥複雑なメッセージは消費者には伝わらないので、シンプルにしていくこと
⑦目先のポジションではなく、長期的な視点でポジショニングをしていくこと
⑧万人ウケを狙っても結局ポジションを得ることはできない。独自のポジションに絞ること
⑨ポジショニングは一度できればそれでいいものではなく、継続的に取り組まなければならないこと
⑩ポジションを争うライバルは国内だけではなくなってきているということ

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コトラーのマーケティング4.0

今のマーケティングを取り巻く状況、そこにどう対応していくか、という本書。広い内容を網羅している分、結構ボリュームも多く難解な内容でしたが、このマーケティングの視点を自分のものにできたらかなり強力だと思います。

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現在のマーケティング活動を取り巻く特徴として、4つの特徴が挙げられます。

①インターネットにより、顧客と顧客の横のつながりが強くなり、その購買決定もより社会的になっている(みんなが買っているから自分も買おう、という考え方)
②「オンライン」と「オフライン」の交流、「情報はたくさん持っている」のに「その情報に対して集中力が続かない」、インターネットによってもたらされた接続性は「好意的」な意見も「批判的」な意見も引き寄せやすい、といった3つのパラドックスが存在していること
③比較的早く新しいものを取り入れ流行をつくる「若者」、購買に何度も検討を重ねたり家庭内でもお金を管理している立場が多いといった傾向があるとされる「女性」、ネットの中で活発的に活動するネット住民を指す「ネティズン」、これら三者がデジタル時代で重要なセグメントになること
④オンラインとオフラインを統合させること、ブランドも個性を明確化させなくてはいけないこと、機械どうしの繋がりをヒトとヒトの繋がりで補完する必要があること

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そうしたトレンドの中、マーケティングに新しいフレームワークが求められています。

例えば、カスタマージャーニー(製品やサービスを知った顧客が行動するまでに辿る道のり)の説明に使われていたAIDAの法則や4A(awareness,attitude,act,act again)といったものを修正した「5A」があります。
まず顧客はブランドを受動的に知る(認知,aware)。
次に、認知された情報を処理して少数のブランドにのみ引き付けられる(訴求,appeal)。
そして、魅力を感じたブランドを積極的に調べる(調査,ask)。
そうして得た情報をもとに、購買やその先のサービスを受ける(行動,act)。
最終的に強いロイヤルティ(忠誠)を持った顧客は自発的に人にお勧めをしだす(推奨,advocate)。

マーケティング4.0では「推奨」の段階まで顧客を進ませることが必要であり、それがどれだけ成功したかを測るために、
どれだけの顧客が「認知」から「行動」まで進んだかというPAR(購買行動率)や
どれだけの顧客が「認知」から「推奨」まで進んだかというBAR(ブランド推奨率)
これらを指標にして評価したり、5Aの各段階での移行率を評価したりすることが必要になってきています。

(この他にもいくつかのフレームワークが紹介されていたが今回は省略)

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こうした状況を踏まえて、マーケティングの戦術的応用が求められています。
①ブランドの奥にある人間的側面を見せていく人間中心のマーケティング(例えば、なんて事のないつぶやきをする企業の公式アカウントに好感を抱くようなこと)
②ただの広告ではなく、顧客に有益なコンテンツを提供していくこと
③オンラインとオフラインの移動がシームレスでストレスがないものにすること
④モバイルアプリをサービスの中に組み込んだり(BMWのマイBMWリモート等)、ソーシャルメディアを通してブランドが顧客とつながりそれを管理していくことで長期的な関係性を生み出したり、ゲームの原則をゲーム以外の場面で利用するゲーミフィケーション(マイルを貯めて製品やサービスと交換できたり高い階層に特権を与えたりしている、航空産業のマイレージプログラム等)

これらを行うことによって、顧客にとって「個人的で」「他人に伝染する」「予期せぬ」喜びである『ワオ!』を生み出すブランドを生み出すべきであると筆者は述べています。

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さて、3冊の要約をしてきましたが、共通して「消費者の視点を持つこと」「他社や市場の動向など周りをよくみること」、こういった当たり前のことが根底にあると思います。
そういった意味ではこれらの本は発展的な内容というわけではなく、これからのマーケティングの基本的視点なのだと思います。

こういうのって「言われなくとも分かってるわ」と思う人も多いかと思いますが、果たしてどれだけの人がその言われなくてもわかってることを実践できているのでしょうか。
自分も読んで満足するのではなく、自分の糧としていきたいな、と思います。


びっくりするくらい真面目な内容になってしまいましたが、ここまでお読み下さりありがとうございました。稚拙な文章であることをお許しください。

次の投稿はゆるーく旅行の記録とか書けたらいいな、と思います。