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執筆のノウハウ

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小説の書き方や心構えなど、クリエイターさん達の記事を集めています。
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2020年5月の記事一覧

アマチュア作家にいちばん足りないもの|Dec. 2018|monokaki編集部

 当欄は、編集長の有田が一か月の記事を振り返って綴る、monokakiの編集後記です。  先月のEditor’s Letter「創作を減点方式で考えた時点で負け」に、たくさんの反響をいただきました。なかでも、NovelJam審査員の米光一成さんが審査総評「NovelJam2018秋・審査委員は何を考えてるのか」で丁寧に取り上げてくださったのは嬉しく思いました。有料noteですが、「紋切り型を突き崩すためのトレーニング」「説明台詞を書かない方法」「プロットと物語の分量のバランス

「ホラー」って何ですか?|王谷 晶

箸が転んでもビビり場合によってはチビったりもする三国一の怖がりやさん、王谷晶である。夏といえばホラー、ホラーといえば夏だ。ホラー小説というのは一定数のファンがおり、たまに映画化等メディアミックスも含めたメガヒットも出てくるジャンルである。となればたとえチビりながらでも市場に参入するのが商売人の道。今回は小説で描く恐怖表現について語りたい。 ホラーには二種類の「こわい」がある怪談、サイコスリラー、スプラッタ、幽霊譚……怖い話もいろいろあるが、ざっくり分けると二種に分類できる。

これで長編が最後まで書ける!三幕八場構成を学ぶ|monokaki編集部

 昨年、フィルムアート社から刊行されている『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』の抄録をmonokakiに特別掲載しました。作家・脚本家の堺三保さんが書く同書の解説に、こんなくだりがあります。 ここ数年、いくつかの講座で小説や脚本の構成について、作家志望の人々に教えている。そこで最も痛切に感じることは、多くの人が「こんな話を書きたい」という語るべき何事かを抱えているにも関わらず、うまくそれを形にすることができずにいるということだ。そういう人たちの場合、登

投稿サイトにUPしている作品は応募可能ですか? とってもよくある問い合わせQ&A【ポプラ社小説新人賞への道】

こんにちは。 いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。 好き勝手なことばかり書いてゴメン……と毎回思いながらも、書き手のみなさんにとって何が参考になるかわからないので、とにかく毎年の選考で思ったことや感じたことをどんどん書いています。 今回もなにか使えそうなところだけ持って帰ってください。 さて、ここまで 〇新人賞と応募原稿のマッチングミスをなくすためにできること 〇編集者が応募原稿を読むときに「重視しているところ」と「実は気にしないところ」 について触れてきま

編集者が応募原稿を読むときに「重視しているところ」と「実は気にしないところ」【ポプラ社小説新人賞への道】

小説家デビューの登竜門「新人賞」。 それぞれの新人賞には傾向がある、ということは前回の記事で触れましたが、賞に応募したら選考を突破していかないといけません。 選考方法は出版社や新人賞によって異なりますが、多くは一次選考・二次選考・最終選考と段階を踏んで選考していきます。 ポプラ社小説新人賞も一次選考・二次選考・三次選考・最終選考という過程があり、一次選考から編集者が全ての原稿に目を通しています。 なんでそんな細かく選考を分けるの?  まとめれば早いし便利じゃん。 たし

作家に必要なのは、知識よりも勇気|「オール讀物」 大沼貴之

「出版社主催の新人賞に作品を投稿し、大賞を受賞してプロデビュー」。小説投稿サイト、文学フリマ、あるいは個人ブログなど、多様な場からの作家デビューが当然となった現在においても、作家志望者が「デビュー」と聞いてまず思い浮かべるのは、この方法なのではないだろうか? 大手出版社の有名な新人賞ともなれば、各回の応募総数は数千から数万にも上る。応募者目線では極端な「狭き門」にうつる選考の裏側で、新人を待ち望む編集部側はいったい何を考え、どのような心持ちでいるのか? 本連載では、その懐と