そっかぁ・・・

転職後、会社で早くに認めて欲しいと思い仕事に取り組んでいた。そんな中でだんだんと職場の人との交流が増えてきて、職場の人を交えて雑談しているときに言われた言葉がぐさっと心に刺さった。

「仕事頑張ってるけど、仕事をすること以上に自分を認めて欲しいって気持ちがベースなんだろうなぁって感じするよね」

ぶっちゃけのトーンで言われたし、周囲の人はそれわかる〜ってトーンで笑いながら同意していたので本心に近いのだろうと思った。

確かに転職したてだから「仕事ができる人」という枠に入りたいと思っていたから、割とがむしゃらに働いていた。会社でのポジション取りをミスって「そんなに仕事がんばってくれないし成果も出ないし、給与を上げなくても文句言わない人」におさまると労働そのものがしんどくなると思っていたから。

曲がりなりにも仕事がんばって会社に認めてもらいたいと思いつつ、会社のためにやるぞと思って働いていた気持ちに、泥を塗られた気持ちになった。あ、何かに向けて熱心に取り組むことをこうやってバカにするような組織に入ってしまったんだ、と無意識に感じて心がスーッと冷めた。

自分の承認欲求のために仕事をしていて図星だからスーッと心が冷めたのだろうから、彼らは本当のことを言ってくれたという点ではありがたい存在だったと思う。暑苦しい中途社員なんて笑い者だろうし、社風にあった振る舞いしていないかもしれないし。

でも、この言葉で仕事へのモチベーションはぐっと下がった。

そのあとの人事評価はそこまで悪くなかったから、どうやらポジション取りは成功したようだった。少しバカにされつつも仕事を真剣に取り組んで、組織のためになればと思ったことも取り組んで、図星をつかれたような笑い者にされたような話題も出されて。色々あって充実した一年間だった。

でも、この言葉を受けて「引き続き頑張ります!」と言えるほど自分もお人好しではなかった。なめてんのか? バカにしてんのか? という気持ちが静かにふつふつと育った。

こういうことに気づいていながらも言語化せずに「すごい!」「引き続き頑張って」とおだてて掌の上で転がして、承認欲求起因の行動などが若干暑苦しいけど給与の割に動きがいいからこのままにしておこう…という気持ちでコロコロ転がすような会社ではなかったから、たまたま気づいてしまった。

これから組織のために何かを頑張ろうというモチベーションもなくなった。自分のキャリアのため”だけ”に動こう、会社のために動くかどうかは二の次でいい。会社のために振る舞うことを求められたときは、かつての熱い思いを持った自分の振る舞いを思い出して、その場しのぎの振る舞いだけして凌ごう。そんなことを思うようになった。

組織のために何かをするなんて馬鹿馬鹿しい、何か行ってたら茶番だと思って適当に合わせてその時の時流で最適なポジション取りをすればいい、誠実に向き合うべくは会社ではなく顧客や同僚だけ。一緒に労働すること自体が間接的な営業となり、今後の仕事の種まきになるから、そこ以外で逆に頑張る必要もない。

って思うようになったから、だんだんと会社の評価をもらうための媚売り的な行動が減ってきており、今後の評価にどう響くかしずかに動向を見守ってみようと思う。

若年層メンバーがかつての私の振る舞いを見て真似て、会社のために頑張るぞって熱意燃やして頑張っている姿を見て、自分がかつて仕事で頑張った軌跡が若干残りつつもこれはブラック企業のやりがい搾取と構図が限りなく似通ってるからなんか悪いことしちゃったかもしれないな…という気分になりつつ、これ以上介入したくないのでしずかに見つめていようと思う。

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