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新宿駅の迷宮度は世界一?

新宿駅の迷宮度は世界でも指折りではないだろうか。ここは日本。表示も案内も母国語だから楽に移動できるはずなのに、上海や香港の駅と比べても迷いやすい。このダンジョンのような駅、外国人にはわかるのだろうか?

新宿迷宮の恐ろしさを薄々感じていたのは小学生の頃。大きなターミナル駅、京王線からJRに乗り換えて母が新幹線の切符を買いに行く。ネットで切符を買えない時代、みどりの窓口で母が新幹線の切符を買う間、妹と弟がはぐれないように待っている時間。この時間の長かったこと。待ちながら見ていた駅のタイル模様が忘れられない。

小学校の5年間、毎年夏休みに必ず通過する儀式のような新宿駅での乗り換え。6年生になり名古屋へ引っ越すと、当然ながら新宿駅を通過する必要もなくなり心のどこかでホッとしていた。名古屋には当時まだ珍しかった地下鉄の自動改札機が導入されていてワクワクしたのを覚えている。新しいものが嫌いな両親は自動化された改札に文句を言っていた記憶がある。名古屋は自由の象徴だった。この街に来て、学校給食が地域によって大きく異なることを知る。単純に言えば給食の量が少なかった。トイレに紙もなかった。2年しか住まなかったけど、この街の思い出は結構いろいろある。名古屋弁を話す小学生たちは名古屋に必要以上の自信と誇りを持っていた。名古屋愛に溢れていた。

しばらく新宿のことは忘れていた。日本で1番乗り換え客の多い駅。

関西で大学を卒業後は横浜で働き、以降首都圏に住んでいるから新宿駅を通過することはたまにある。乗り換えることもしばしば。時々乗り換えるのならば特に問題はない。工事中だったり、変則的な移動を伴う時、時空の歪みのようなダンジョンが出現する。本日の乗り換えは行きは良い良い、帰りは迷宮、だった。

同じ駅なのに行きた帰りでなぜ迷う?不幸にも工事中でわかりにくかったことは事実。思い出してみると行きの乗り換えもちょっと迷ったのだった。そしてさらに事態を複雑にする絶望的な都営地下鉄の新宿駅と新宿西口駅、この2つの駅が存在している意味がわからない。別の駅にするのではなく連絡通路でつないでほしい二つの駅。乗ったことある人にはわかると思うが新宿駅から乗ると両国方面への電車に乗れない。なぜなら数字の6の字を描くこの路線は一筆書きの方向にしか電車は走っていないから。ん?ん?ん?

東京都の役所のある都庁前駅が始発だから一筆書きの路線は距離的には近いのに一本では行けない区間が存在する。謎だ。都庁は偉いのか?都営地下鉄だからそんなもんなのか。防災上の拠点だとか災害時の避難経路の意味合いが強いのだろうと想像するが、たまに乗る人にとってはわかりにくいことこの上ない。この路線を攻略するのはやめにしよう。いや、いつか向き合ったらスッキリするかもしれない。ダンジョン新宿駅。確か毎日100万人以上が乗り換える駅。山手線の反対側にある東京駅の方が圧倒的にわかりやすい。観光客も東京駅の方が多そうだし。表の東京と裏の新宿、か。

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