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旅をどのようにツールとして活かすのか

旅とは何なのだろう?

日本に住んでいて、働いて、日々の生活をおくり、国内へ旅行に出かける。それは完結した一つの世界。円の世界。必要な情報はネットで調べればいい。国内には多くの観光地があり、見るべきものがあり、訪れるべき名所、などがある。日本語で自由にコミュニケーションが取れ、食べ物もおいしい。快適そのもの。物価も安い。

なぜ外国に行くのか?それは自分の目で直接見て、歩き、触れてみたいから。ただそうしたいという好奇心だけの世界。仕事で行くのが一番いい、と個人的には思う。それは国内の旅行でも同じだけど、出張で訪れた場所には訪れるべき理由があり、目的があり、仕事の中に旅を組み込める。昔会社で働いていた時、出張が仕事の一部だった。1年目から一人で客先に行き、納入したX線回折装置の使用方法を説明した。毎週のように地方へ行き、おいしいご飯を食べてお酒も飲んで、ついでに週末旅行、楽しかった。海外への出張も楽しい。移動が好きなので飛行機に乗って学会に参加するなんて楽しみでしかない。学会参加の申し込みをした時点で研究自体は9割5分終わっている(論文投稿は置いておいて)。事前にプレゼンの準備をしたら、持って行った資料を使って現地で人と話す。これは楽しいけど、旅そのものが目的じゃないから、やるべきことをやって帰ってくる。楽しすぎる。これは遊びか仕事か?っていう世界。

これに対して、わざわざ休みをとって自由に旅行をすることはある意味不自由かもしれない。多くの社会人は休みが3日しか取れないとか、予算が10万円だとか、制約のある中で目的地を決め、旅に出る。それでも帰ってくる場所がある前提の短期の海外旅行は楽しい。制限なく何日でも休みが取れて、どこかへ行くとしたらどこへ行くだろう?どこへも行かないかもしれない。それはつまり旅というのは結局どこへも行けず、異国の地で離れられない自分を連れて自分と向き合うことになるのだから。

人との出会い


とはいえ、旅の楽しみの一つは人と話すこと。英語か日本語または中国語でホテルのスタッフ、滞在している人、一人旅をしている人などと会話するのだけど、モロッコで出会った人々の中で印象に残っているのはたくさんいる。マラケシュで泊まったホテルのスタッフの方々。ミントティーを淹れてくれて、バスの手配をしてもらったり、おすすめのレストランも教えてもらった。タイルの模様をどうやって作るかも教えてもらった。誰かを連れて行ってもいいな。それから途中で出会ったフランス在住の日本人ビジネスマンの方。旅の写真を見せてもらったけど、どれも美しいし、ヨーロッパからだとモロッコへ3時間ほどで行けるのでかなりうらやましい。フェズで出会った中国人医師の旅行グループの方々。そしてタンジェで出会ったJFさんをはじめとするフランスから来られた多くの方々。モントリオールからいらしたClaudeさん、そしてラバトからいらしたZinebさん。スペインからのLeilaさん。それからラバトのホテルのスタッフは鍵問題に一緒に取り組んでくれた。フェズで閉じ込められたホテルのスタッフの方々。人とコミュニケーションをとることで旅は成り立っている。面白いね。やっぱり語学は旅に必須のツール。現地の言葉が話せると旅の精度が上がる。日本語でもいいのだけどね。

旅から得たヒント

これから変化していく人生にどうやって向き合うのか?そのための手がかりがそこにある。

面白い街並み~日本にいて当たり前だと思っている視点に気づく。お絵描き教室と似ている。
旅と食事~模索中。日本食から離れるほど体は適応するのが困難になる。
旅と運動~散歩することで解決したいが、普段練習しているヨガも必要
建築物への興味~これはそのうち分かってくる予感

多分どこかのタイミングでまたリトリートに呼ばれる。それまではいろいろ試してみることにしよう。やりたいこともたくさんあるし。

最後に

アフリカ大陸へ初の旅行だ、と思って行ったらそこはフランスのようだった(主観です。英語ではなくフランス語の世界)。もちろんモロッコはアフリカ大陸にある。だけどそこでの公用語はアラビア語とベルベル語、そのほかにフランス語が通じる。通じるというレベルではなく、あらゆる案内はフランス語で、モロッコの人たちは日本人が英語を学校で習うように学ぶ。だからフランス語はだれでも話せるし、アラビア語も使うけど、よりコミュニケーションツールして汎用性が高いのはフランス語。英語は一部のホテルと空港などで通じる。これってトラブルが発生したり、何かを探したりしたときに困る。日本で外国人にドイツ語やイタリア語で話しかけられて困ったことないだろうか?英語なら何とかこたえられるから、英語じゃないとわからないよ、って言ってないでしょうか?同じことをモロッコで体験した。生理用品を購入しようとして、フランス語で何て言うのか調べても、街中で探せない。ホテルの女性スタッフが席を外していて、掃除担当の女性に聞くと、薬局へ行けという。薬局ではスーパーへ行けという。まあ、日本でも調剤薬局にはないけど、スーパーには売っているよね。旧市街にはなかったけど、郊外にあるスーパーへ行くとあっけなく購入できた。SIMカードもフランス語出来ないと、旧市街のスーパー(見かけは商店街の雑貨屋)では探せない。アラビア語でできればなおいいけど、英語は通じない。
あとは博物館、美術館の説明がフランス語。これはさすがに分からない。英語か日本語、中国語なら読めるけど、フランス語の説明書きは読めなかったから、実物を見て、ふーんって感じで通り過ぎたような印象。次回はフランス語使えるようになろうって思うでしょ。しょうがないなぁ、英語と中国語でOKだと思っていたのにフランス語も?はい、やります。

わざわざ言葉の通じない国へ行って、食べ物も合わない国へ行っていったい何をしようっていうんだ私は。わからない。わからないから行ってみた。その結果、何となく見えてきたもの。それは手探りで進んでいくこれからの3年から5年で起こる変容への心構え。この旅の経験は知らないことを始めることにかなり役立ちそう。そして、モロッコあたりが現在の限界だったのだなと今にして思う。アフリカの中央の国へ行ったら、食べ物が合わなくてもっと早く具合悪くなっていたと思う。目指せアフリカ大陸中央進出。ほんとに?


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