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ラッパと娘

ブギの女王、笠置シヅ子が歌うラッパと娘。
3月までNHKで放送されていた朝ドラ「ブギウギ」では、この曲の練習シーンが丁寧に描かれていた。

スズ子にとってこの曲ははじめて東京で歌うソロ曲。
気合いも入る中、作曲家で指揮者でもある羽鳥との個人レッスンがスタートするが、なんと出だしだけで500回以上やり直し。

どう歌ったらいいかも言ってくれず、ただひたすら言うのは

「ジャズだよ、ジャズ!」

私だったら、ポカーンだ。

どう歌うんでっか?とスズ子が質問しても
「バドジズしてないねぇ」の一点張り。

バドジズってなんやろ、とツッコみながらもスズ子は喉をつぶす勢いでモーレツに自主練。

羽鳥の自宅まで押しかけて特別レッスンをする中、ようやくラッパと娘の歌い方の糸口を掴む。

その瞬間のシーンの演出がとても好きだった。役者と役柄が一体化するように感じたからだ。

振り切ったところまでいったスズ子は飛んだり跳ねたりしながら本当に輝いていた。私も感情移入しながら見ていた気がする。

それまで割とスズ子は上品に、右に左に踊ったりせず歌っていたけど、ラッパと娘以降は心底ワクワクズキズキしながら歌う様子が見ていて爽快だった。

この歌い方と踊りを何テイクも撮影したそう。そんなことしたら次の日動けなくなりそうだけど、そうなっても構わないと思ってたのかも、と感じる熱烈さだった。


歌いきった後の顔を見ると私も涙が出そうになる。
よく頑張ったなぁスズ子。

私もまだまだ、もう描けなくなっても構わないくらい振り切ってみよう。





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