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無知の知

まさか自分の人生で囲碁をやる日がくるとは思わなかった。

 私の好きな喫茶店、天文図館では囲碁教室も開催している。何か新しいことにチャレンジしたくて、昨年から習い始めた。

私の身近に囲碁をやる人間がいなかったのでどんなルールかわからなかったけれど、いざやってみるととても奥深い。

オセロは最終的にどれだけ自分の枚数が多いかが勝ちにつながるけど、囲碁は石を囲ったり守ったりしながらも陣地の広いほうが勝ち。

囲うと見せかけて自分の陣地を広げてたりもするし、こちらが攻めていると思ったのもつかの間、気づいたら四方を取り囲まれてお手上げ、ということも私はよくある。

でも、知らないことを知るのは楽しい。

子どもの頃は興味があっても出来なかったことが、大人になると自分の判断で決められるようになる。

そして自分はまだまだ知らないことだらけなんだな、とも痛感する。

数年前に、無知の知という言葉を知った。自分はまだまだ知らないことがあるということを自覚している、という意味合いだ。

人は年齢を重ねて、その年数分だけ何でも知ったような気になっていると、そこで成長はピタッと止まるらしい。

以前、あの萩本欽一さんが73才で大学生になったとニュースで知った時も、さすが欽ちゃんだなぁと欽ちゃん世代じゃないのに感動してしまった。

孫以上に年の離れた人たちの中で学ぶのはとても勇気がいると思う。

私は高校卒業後は音楽の専門学校へ行っていたのだが、還暦間近の男性が同級生として入学してきた時には驚いた。

なんでなんで?と周りから好奇の目で見られながらもその人はお構いなく学び続けていた。

若い人たちより習得は遅いけど、サックスが好きで上手くなりたいから、と誰より一番熱心に質問して練習していた姿が印象的だった。

私もいつか、還暦のお祝いとかで大学生になりたい。勉強はものすごくものすごく大変だろうけど、その分、毎日充実すること間違いなしだ。
(女子大生という言葉の響きにも憧れがあるし.…)

学科はどうしよう。サークルや飲み会にも若い人に混ざって参加してみたい。
知らないことを教えてほしい。
おばちゃんと呼ぶ子がいたら厳しく注意する。
せめて名前で呼んでね。

よし、天文図館で借りたヒカルの碁を読もう。



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