【VRChat】フルトラでも遅延無しでボイチェンしたい!【オーディオインターフェース】

初めまして。妃咲 涼(キサキ リョウ)と申します。
VRChatにて、ボイチェン勢として日々のんびりと過ごしております。

既にボイチェンをご利用の方、あるいはこれから使ってみたい方にとって、多くの場合問題となるのが『モニター(自分の声を自分で聴く)音声の遅延』です。
遅延無くモニターしながら喋るにはオーディオ機器と有線イヤフォンが必要。
しかしフルトラッキングでVRChatを遊ぶなら、立って歩いて動きたい。

本日は、現在私が使用している、フルトラッキングでも遅延無しでボイチェンしながらVRChatを遊ぶための機材やソフトを紹介していこうと思います。


事前解説

何故遅延を無くす必要があるの?

とても簡単に言うと『ボイチェン後の声を自分の声だと脳に思い込ませる』ため。

ボイチェン後の声をモニターしているとき、その声に遅延が掛かっていると非常に喋り辛いのです。
これは、喋っている言葉が遅れて耳から入ってくることで脳の言語野が混乱するためなのだそうです。
モニターの遅延が少なくなってくると、その混乱が解消されます。

モニターの遅延が限りなくゼロに近づいてくると、『モニターの音』を『自分の身体から発された声』であると脳が誤認するようになります。
すると、とても自然にボイスチェンジャーを通して会話することが出来るようになります。
その状態に慣れると、ボイチェンを通しながら歌を歌ったりも出来るようになります。

ASIOドライバって何?

とても簡単に言うと『マイクから入力した音声を遅延なくイヤフォンから出力してくれる』すごいやつ。

これを使うことで、先述の『モニターの遅延が限りなくゼロに近づく』状態を実現できるようになります。
ただし、マイクやイヤフォンを無線接続すると、そちらの影響でも遅延が発生してしまうため、それらをオーディオインターフェースと有線接続する必要があります。
でも有線接続だとケーブルの長さという動作の限界が……。

じゃあ、クッソ長いケーブルで有線接続してフルトラで動き回ろうぜ!!

本記事は、なんかイイ感じにフルトラでVRCしながらASIOドライバ搭載オーディオインターフェースとマイクを長いケーブルで有線接続しようぜ!というゴリ押し発想を比較的安価に実現するものです。

ざっくりとした方針

  • 音声入力はオーディオインターフェースと有線ダイナミックマイクを使用(ASIOドライバを用いて遅延を減らす)

  • 音声出力はオーディオインターフェースと通常の有線イヤフォンを使用

  • フルトラに対応するために有線接続ケーブルを長いものにする

  • ボイスチェンジャーはバ美声を想定(DAWを用いても可)

  • (ボイチェンの調整やVRChat内の設定については本記事では扱わない)

環境構築

使用する機材・ソフト

※(カッコ書き)のものは現在お使いの物で良い部分です。
 念のため筆者の環境を掲載しています。

  • (HMD:Meta Quest 2)

  • (トラッカー:HaritoraX 1.1B/肘・腰トラッキング拡張セット)

  • オーディオインターフェース:M-Audio / M-Track Solo

  • マイク:CLASSIC PRO / CM15

  • イヤフォン:3.5mmジャックの通常のもの + 延長ケーブル

  • ボイスチェンジャー:バ美声(ASIOドライバ対応のものなら何でも)

  • 仮想オーディオデバイス:VB-CABLE(その他SYNCROOM等何でも)

以下、各機材・ソフトの紹介・解説です。

HMD・トラッカー

今現在お使いの物で構いません。
HMDの形状によっては後にご紹介するマイクの装着が難しい場合があるかもしれませんが、大抵のものは大丈夫です。

オーディオインターフェース:M-Audio / M-Track Solo

私の知る限り、最も安価なASIOドライバ搭載オーディオインターフェース。
アウトプットが3.5mmジャックしか無いので音楽用途としては物足りないですが、ボイチェン目的だと余計な変換用ステレオジャックアダプタ等が不要になるためむしろ便利です。

もしその他のASIOドライバ搭載オーディオインターフェースを既にお持ちの場合は、そちらで構いません。
XLR 3PINのマイクが接続出来るなら問題ありません。
6.35mmのステレオ標準プラグにイヤフォンを接続するための変換用ステレオジャックアダプタは以下のようなものを適宜ご用意ください。

マイク:CLASSIC PRO / CM15

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/319981/
※Amazonでの販売が無いため、SOUNDHOUSEへのリンクとなります。

私が使用を推奨するダイナミックマイクです。
頭部に装着できる/XLR端子接続/ケーブルが長い(4m)/と、必要な条件を満たすマイクの中ではかなり安価(税込み¥3,980)なものとなります。

イヤフォン:3.5mmジャックの通常のもの + 延長ケーブル

普段ご利用のイヤフォンで構いません。
ただし、自身の声のモニターだけでなく、VRChat自体の音も一緒に聴くことになりますので、1000円以下の粗悪品は避けた方が無難かと思われます。

そのイヤフォンを、こういった単純な構造の延長ケーブルを用いてオーディオインターフェースに接続します。
先程紹介したマイクのケーブルが4mなので、延長ケーブルも3~4mほどのものが適しているでしょう。

実際に使用する際は、マイクのケーブルとこちらの延長ケーブルを何かしらの手段でまとめてしまうのが便利です。
ケーブル類を買ったときに付いてる針金っぽいやつで十分です。

……今調べたらねじラーっていう商品名で売られてるんですね。これ私も買おう。

ボイスチェンジャー:バ美声(ASIOドライバ対応のもの)

お手軽で高性能高品質なボイスチェンジャーといえばこれ。
これ単品でモニター(ループバック)もASIOドライバの利用もサポートされています。

この2ヶ所を設定するだけで大丈夫

バ美声の詳細な設定等は本記事では取り扱いませんのでご了承ください。

仮想オーディオデバイス:VB-CABLE

ボイスチェンジャーを通した後の声を、VRChatやDiscord等の通話ツールに入力するために必要な仮想デバイスです。
導入は検索すればすぐに親切な記事がたくさん見つかるので割愛します。

導入後はここに設定する

以上の機材・ツールを用いることで、遅延とは無縁なフルトラVRCライフが可能になります。

最後に

実際にやってみると分かりますが、この構成、かなりゴリ押しです。
頭にHMD・耳から顔にマイク、耳にイヤフォン、そこから長いケーブルがPCへ続く……という、中々にゴチャついた見た目になります。
ご家族とお過ごしの家でVRCを楽しんでいらっしゃる方にとっては……ちょっと、不格好で家族に見せられない図になるかもしれません。ボイチェンの時点で見せられないので誤差かもしれませんが。
しかし、物理的にゴリ押した甲斐あって、無遅延の快適さは折り紙付きです。今まで遅延のある環境でボイチェンのモニター音声を聞きながら喋っていた方にとっては革命的な感動があるのではないでしょうか。

Note記事を初めて作成しました。
そもそも他人様に読んで頂く文章を書くこと自体が不慣れですので、色々とお粗末な記事になってしまったかとは思います。
にも拘わらず、最後まで読んで頂いた方に心よりの感謝を。
少しでも皆様の快適なVRCライフの助けになったなら、何よりです。

宣伝

以下は本記事とは関係のない宣伝になります。
VRChatには数多のユーザーイベントが存在しており、その中には私も運営に協力している胡乱なイベントが存在します。

ちょっと色んな意味で濃すぎるイベントなのでここで事細かに紹介はしませんが、もし興味がございましたらX(Twitter)にて #既婚人妻男性BAR を参照くださいませ。
また、同イベントキャストを務める友人がこれまた胡乱な記事を書いているようなのでそちらもよろしければ。


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