1月に読んだ4冊の本

1月に読んだ本

1.『風のマジム』原田マハ
2.『ウルトラライトハイキング』土屋智哉
3.『旅をする木』星野道夫
4.『カフーを待ちわびて』原田マハ

1.『風のマジム』原田マハ
沖縄で派遣社員の女性が社内ベンチャー公募に沖縄産のラム酒を作るアイデアで応募し採用され、実現していく話。実際にいるモデルを元にしたフィクション。
物語の展開がスピーディーで読みやすく、主人公と家族の感情が細かく描写されているため共感へのハードルが低く書かれている。すぐに共感してしまう。つい応援したくなる。
熱量が人を動かす最大の武器だと再認識した。

2.『ウルトラライトハイキング』土屋智哉
ウルトラライトハイキングの入門書。ハイキングの歴史やアメリカで培われた技術や道具の紹介はもちろん、"自然との繋がり"を強くする、"自然へのインパクトを減らす"という思想を元にした道具の選び方やパッキングの方法を紹介してくれる。使い方の正解ではなく思想を元にした考え方を教えてくれるため、押し付け感がなく読んでいて気持ちがよい。つい自分ならどうしようかを考えながら読み進められる。
引き算のデザイン。野外に出るときの荷物はこれくらいで良いと教わるのと同時に最低限の荷物はこれだよということも理解できた。

3.『旅をする木』星野道夫
この本を読み進めていくと、アラスカの情景が瞼に浮かび幸福感に包まれてくる。寒いところには住みたくないと思っていた僕が、いつの間にかアラスカに住んでみたいとさえ思っている。読みながら何がこうしているのか、星野道夫の、もしくはこの本の何がすごいのかを考えていたら、本の最後にある解説にこう書いてあった。
「星野が書いたのは、結局のところ、ゆく先々で一つの風景の中に立って、あるいは誰かに会って、いかによい時間、満ち足りた時間を過ごしたかという報告である。」
なるほど、確かに。この本では、こうすると楽しくなるとか、幸せになるとか手法については一切書かれていない。
星野道夫が経験した幸せな出来事を周辺のあらましと共に臨場感を持って書かれているだけなのだ。人の幸せな経験を知ると幸福感に包まれる。笑っている人を見るとつい笑ってしまうのと同じように、嫌味なく伝わってきたのだ。
It made my day 気持ちが膨らみ1日が満たされる
旅をする木に書かれている言葉だが、この本がまさに僕にとってのItである。

4.『カフーを待ちわびて』原田マハ
カフーとは沖縄語で果報、良い報せ、幸せのこと。沖縄の離島を舞台にした恋愛小説。2006年にラブストーリー大賞を受賞しているだけあって、男女の関係性、それもとても不思議なやりとりが書かれている。
主人公の明青と幸に関するバックグラウンドが最後まで細やかに説明されないことで想像力が掻き立てられ、周辺の人物の言動から自分なりの仮設を立てながら読み進めることができる。物語が進んでいくにつれて、作者が設定している伏線をどんどん回収することができるため、とても読後感が気持ちよい。ただし、あまりリアルなストーリーではないため、あくまでも小説の域を出ない感もある。

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