見出し画像

Joboα現像液が[美諧調]という道

新しい現像液が販売された

Silversalt販売サイトより、新しい現像液「α」が発売されました。販売元は現像タンクで有名なJoboで、売り文句は「万能型で微粒子、高いシャープネスを誇る」との事でした。
これまでの現像液と異なるのは回転現像を推奨している点にあります。必ずしも攪拌現像では対応不能という事では無いようですが、ここはあくまで回転現像で現像したいと思います。

回転現像システムの構築

回転現像システムはJOBOからCPE-3というものが販売されていますが、30万円程度とかなり高価です。そこで今回は、単純な板にキャスターを4つ取り付けて、モーターで回転させました。回転現像システムに関してはやっつけでもある程度作れますが、かっこいいものを作るには工夫がいりそうです。こちらに関しては見栄えの良いものを製作中です。

撮影結果レビュー

カメラはGR10、フィルムはPanF+を使用しました。撮影は1月末の神戸と姫路市家島で、おおむね晴れた日に撮りました。

ハイライトはかなり滲みますがこれは古いGRレンズの特性でもあります
拡大してもかなり解像感があります
シャドー部の諧調の連続性も素晴らしいです。立体感もあります。
シャドー部からハイライトまでの諧調のつながりが良く感じられます。
作られた「レトロっぽさ」のような印象もありますが綺麗な諧調です。
明暗差が大きくても諧調の豊かさがダイナミックレンジを広げてるようにも感じます
ハイライトの滲むGRレンズと組み合わせると白昼夢っぽい印象になります
いわゆる粒子を溶かしている感じもしますが、嫌な感じはしません
解像力は流石にSilversaltに劣りますが、諧調の豊かさが良いです
ハイライトからシャドーの懐が広いので様々な光で撮れます
逆光も滲んで良い感じですが、これはGRレンズの恩恵もあります
現像液だけでかなり立体感が強くなる気がします

諧調に特化した望まれていた現像液

過去にSilvermaxというフィルムがあって、諧調の豊かさはかなりのモノでしたが、今回の作例に関しても近い印象を受けます。今回は比較的ラティチュードの狭いPanF+を使用しましたが、FP4+あたりと組み合わせると面白くなりそうです。RodinalやSilversaltでは粒子を残しての高解像というアプローチでしたが、αは粒子感をつぶす代わりに諧調の豊かさを獲得しているのかなと思います。
これまでは「高解像」を売り出す現像液が多く、諧調の豊かさをアピールするものは少なかったですが、今回のαに関してはかなり期待できそうです。
高解像の時代に新しい道への第一歩を切りひらいたα現像液ですが、その先に多くの作品があればいいなと思っています。
あと、すぐに在庫が無くなってしまったので、次の在庫が早く入ってほしいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?