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スーパービジョン/支援者の恐怖を和らげる

障がいのある方の支援をしています。もう30年以上も経ってしまいました。何年続けていても、ついおろそかになってしまうことがあります。大事なことを忘れないためにここに書き留めます。

noteに障がいのある方への薬の支援について書いたところ、支援者の過剰な介入は、「支援者の恐怖」が元になっていることが多いのではないかというコメントをいただきました。思い当たる事例があります。

グループホームに入居されている人から相談がありました。その人は、私の経営する法人とは別の法人が経営する日中活動事業所を利用しています。そこでの面談で担当職員から、事業所に来るとき、ガイドヘルパーを使ったらどうかと提案されたというのです。とてもショックを受けて電話をかけてきました。

この利用者はときどき、赤信号でも横断歩道を渡ってしまうことがあります。また、最近は加齢に伴い、途中で休憩することがあるといいます。事業所はそれを心配し、安全を考えて提案したものと思います。しかし、この利用者からすると一人でできることを否定されたことになります。また、帰りに自由に買物をしたり、喫茶店に立ち寄ることもできなくなると言っていました。

支援者は利用者の安全を常に考えなければいけません。だからといって利用者のプライドを傷つけるようなことを提案してはいけません。慎重に話を進める必要があります。

同様のことは私が経営する事業所でもあります。そのとき、支援者は「何かあったらどうするんですか」と言います。何かあってはいけません。そうならないためにいろいろな工夫をします。利用者に話をするタイミング、話をする人、その後、相談を受ける人も考えます。また、かならず選べるように提案は複数用意します。

利用者の安全を心配してその対応策を練るときは、支援者もギリギリの状態で苦しんでいます。その恐怖を和らげなければ、良い支援はできません。支援者の恐怖を和らげるスーパービジョンが必要です。

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