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架空の物語から学ぶこと/(アドラー心理学実践講座 第4回目より)③

10月04日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学実践講座」が始まりました。今回もそこで学んだことから考えたことを書きます。

10月24日、第4回目のテーマは「案内図としてのライフスタイル(3)」でした。そこではワークをとおして、自分が描く架空の物語に自分のライフスタイルやライフタスクが反映されているということを学びました。

障がいのある人の中には、架空の物語を作り、その中の住人になってしまっている人がいます。その物語が極めて病的であったり、危険性があると精神科の受診をします。しかし、ちょっとした作り話ていどは、「また~そんなこと言って…」と支援者に相手にしてもらえないことがあります。

ありがちな対応の例です。ある利用者が、他の利用者との人間関係について愚痴っていました。すると対応した支援者はこう言います。
「あなたは少しおおげさなの」

その利用者は日頃からいろいろなことに悩み、それを口にしています。同じような愚痴をくり返しています。それを客観的に見たら、本人の思い込みで大したことではないかもしれません。しかし、本人は思い込みの社会の中に生きて苦しんでいます。それに対して「あの人はそれが障害だから」とか「また同じことばかり言って」と片付けてしまうと問題解決に至りません。

その架空の社会を認めないとわかり合うことはできません。支援者は、その架空の社会の住人になることはできません。しかし、話を聴くことはできます。また、その社会が苦しいものであるならば、その社会から引っ越す手伝いをすることも必要です。また苦手な相手に対する認知を変えることも有効です。

利用者語る内容は事実ではないかもしれません。しかし利用者にとっては事実に等しいものであるという認識で対応します。

今回のワークでは、架空の話の中にもその人の真実が隠れているということを学びました。

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