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ワーク・劣等感を測る、劣等感を理解してプラスにしよう(アドラー心理学実践講座 第7回目より) ⑥

10月03日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学実践講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

11月14日、第7回目のテーマは「感じられたマイナスとその反応」でした。今回は、「劣等感を測る」というワークを行いました。このワークは、ガイ・J. マナスター と レイモンド・J. コルシーニ の著書、「現代アドラー心理学(上)」からの引用とのことです。昨日までにワークの結果と私のライフスタイルについて書きました。今日は、先生の解釈とそこから学んだことを書いてまとめます。

私のワークの結果はとその解釈は次の通りです。太字の部分が解釈になります。
(1)自分の全体的評価/50%/自己概念を表す
(2)他者からの評価/100%/世界像を表す
(3)自分の潜在的能力/100%/理想的自己理想を表す
(4)未来の期待/50%/成長の見通しを表す
(5)現在の自分のいるべきところ/100%/現実的自己理想を表す

自己概念と現実的自己理想の差異、その大きさではなく、それをどう感じるかが劣等感だと言います。私はその差異が50あります。しかし、それをマイナスには受け止めていません。

私はできないことがたくさんあります。しかし、周りの人は何でもできると思ってくれるところがあります。そこを上手にコントロールしているためマイナス感が少ないのだと思います。

小学生の頃の私は劣等感が溜まって劣等コンプレックスとなり動けないでいました。私は運動技能が苦手です。体を動かすことはほとんど満足にできません。音楽も聴くだけでまったく演奏できません。たとえば、鉄棒やリコーダーです。

昭和40年代の小学校は、できないことに対してとことこん厳しくされました。できるまで残されたり、みんなの前でできないことを何度もやらされて「今日は髙橋さんで時間がいっぱいになってしまいました」と先生に言われたこともありました。学校に行くのが嫌になりました。そんな私は校外の活動に活路を見出し、そこに所属しました。また、できないことがたくさんある私が上手にライフスタイルDタイプを維持する方法を見つけました。

私は、何かグループ活動をするとき真っ先に名乗り出て役をもらいます。自分のできること、得意なことを先に選びます。最初からできることしか選ばないので完璧にこなします。ときには人並み以上の専門性を発揮します。それを繰り返すと、周囲から「すごいなぁ」と思われるようになります。

アドラー心理学では、劣等感を悪いものとしてあつかいません。今より良くなろうとする証だとします。また「補償」という考え方があります。補償は、自分が劣っていると感じる領域内で努力すること、また自分が劣っていると感じる領域外で努力することの2種類があります。私は領域外を選んだということです。

障がいのある人の支援において、支援者は「平等」という言葉のもと、みんな同じ活動をさせようとします。しかし、利用者の中には人前で販売することが得意な人、裏で作っている方が性に合う人など様々です。それを無理に人前に出したり、物を作らせると自分はできない、という意識が強くなります。

支援は劣等感を成長の糧にすること、劣等コンプレックスに変えないこと、そこに注意をしなければいけません。

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