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福祉業界にARCSモデルをひろめる(教える技術 6回目より①)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方を考えて書いていきます。

6回目(最終回)は、コースのデモンストレーションです。まず先生が、前回の講義についての質問に答えたあと、受講者が自分で作ったコースをグループ内で発表しました。今日は前回の講義内容についての質問から気になったことを書きます。

質問は、実際の企業研修でARCS(アークス)モデルを使ったアンケートを見たことがない、自分でアンケートを作った場合も「おもしろかったですか」と聞くことに抵抗があるというものでした。

ARCSモデルは、教育心理学者のジョン・ケラーが提唱した動機づけモデルです。このモデルを使ってアンケートをとると適切な評価が得られると説明がありました。

私のグループには、ARCSモデルを活かしたアンケートを作ったことがあるという人がいました。しかし、私のかかかわる障害福祉分野ではARCSモデルではまだ浸透していません。

私は、去年の教える技術のあと、ARCSモデルを意識するようにしました。また、地域の福祉事業所と連携をして講演会を開催したときにアンケートを作る機会がありました。そのとき、ARCSモデルを参考にして質問をつくりました。その中に、満足度や理解度を尋ねる質問を作ったところ、それは講師に失礼だ、という意見が多く却下されてしまいました。結果、そのアンケートはよかったところ、興味あるテーマはなんですか、そのような記述式の質問項目ばかりでした。

この背景には、講師に好意で講演をしていただいているという意識があります。今回の教える技術に報告の1回目に、「良い研修にはお金をかけよう」という記事を書きました。福祉業界では、まだまだ研修にお金をかける意識がありません。また講演会あとのふりかえりでは、講演内容にふれることはなく、会場準備、集客方法、進行方法など事務的な内容で始終します。

福祉業界は人材育成が問題になっています。しかし、研修にお金をかけることなく、さらに支援者を研修に参加させる余裕がありません。それは利用者に対して直接支援をした分しか報酬がないからです。近年、資格者等に対する加算が付くようになりました。しかし、それで人材が育成できるわけではありません。

私は、ARCSモデルを知ってもらうために、自分の組織の中でARCSモデルをふまえた評価を実施してみようと思っています。

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