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グループホームとシェアハウスの違い(アドラー心理学実践講座 第3回目より) ②
10月04日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学実践講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。
10月17日、第3回目のテーマは「案内図としてのライフスタイル(2)」でした。ワークに入る前に、前回の講義「案内図としてのライフスタイル」への質問から、ライフスタイルと家族布置の関係について説明がありました。
ライフスタイルの形成には家族布置、出生順位が影響しています。第一子は一番であり続けなければならないと思います。最初は注目の的です。しかし、下の子が生まれると「王座を奪われた」状態になり、自分の立場を奪回しようとします。第二子は第一子とライバル的な関係になりやすく、親からの愛情や関心、注目を得るために、あえて第一子と別の道を歩み、第一子とは正反対の性格になりがちです。子どもはこの過程でライフスタイルを形成し、その家族の中で自分の地位(ニッチ)を獲得していきます。
障害福祉サービスの一つにグループホームがあります。グループホームは、5人前後の障害のある人たちが支援者と一緒に共同生活を送っています。グループホームは家族に代わる場所です。イメージはシェアハウスです。しかし、大きく違うことは、自分の意思で選ぶことが少ないということです。
障がいのある人の親が高齢化し一緒に住むことが難しくなると、福祉サービスを使います。以前は大型の入所施設の利用が主流でした。今は、だんだんグループホームが主流になってきています。
しかし、グループホームはまだ十分な数がありません。数ある中から選ぶような状況ではありません。空があったら入れる、それも狭き門です。ゆえに利用を始めてから利用者同士の相性でトラブルになることがあります。それぞれライフスタイルの違う人たちが集まってしまったことが原因です。
グループホームでは、今まで構築してきた自分のライフスタイルが崩されてしまいます。シェアハウスは、自分で選んで入居します。またシェアをしている人と相性が合わなければ契約を解消することができます。しかしグループホームはそういうわけにはいきません。いったん、グループホームに入居すると他のグループホームに引越しをするほどグループホームの数はありません。また、家族が高齢のため、実家に戻ることもできません。ライフスタイルを作り直すことから始めなければいけません。その過程でいろいろな不調が出る人もいます。
支援者の多くは、支援場面において個人のライフスタイルよりも集団で同じような生活求める傾向があります。一人ひとりが尊重されるよう、アドラー心理学に基づくライフスタイルを意識するよう工夫をしていかなければいけません。
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