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人々は私の仲間だ!(食事場面の支援にて)

社会福祉法人を経営しています。また、現役の大学生もしています。50代半ばで、社会福祉の学び直しを始めました。

昨日のnoteでは、高齢者グループホームの食事場面から、相手を尊重した支援について学んだことを書きました。そのときに紹介したのが、アドラー心理学を基礎とする子育てにおける親の育成プログラムパセージ(野田俊作)の心理面の目標です。

心理面の目標は、2つあり、その目標は子育てだけでなく、あらゆる対人援助場面で有効です。目標は次の2つです。
1)私は能力がある
2)人々は私の仲間だ

昨日は、「1)私は能力がある」、について事例をあげました。今日は、「2)人々は私の仲間だ」に関係した事例を紹介します。

管理的にならないで…

私の法人は、障がいのある人が活動する事業所を経営しています。その活動の中で、食事は大きな比重を占めます。そのため、利用者の皆さんに、美味しく、楽しく食べていただく工夫が必要です。

しかし、意識しないと、楽しいはずの食事が管理的になります。支援者が管理的になりやすいことは次の2つです。
・食事の食べ方
・食事の量

昨日のnoteは、食事をしている最中に小言ばかりを言わないようにしよう、ということを書きました。今日は、食事の量について書きます。

健康を意識しすぎると…

支援者の仕事の一つに、利用者の健康管理があります。特に支援者は、利用者の肥満に敏感です。しかし、体重管理やダイエットは難しい課題です。誰もが簡単に解決できず、その問題をなんとかしようと悩んでいます。だから、その手の本や企画がたくさんあります。

支援者は、利用者の体重を減らそうと躍起になります。運動量を増やすことにも限界があります。その結果、支援者は、食事の量を減らします。しかし、食事の量を減らされることはとても悲しいことです。利用者は、なぜ、自分のご飯の量が少ないのか、納得できません。こっそり、量の多い人と取り換えてトラブルになったことがあります。また、お昼ご飯の量を減らすと、帰りに何かを買って食べます。これでは意味がありません。

利用者の体重管理は大事な支援の一つです。しかし、神経質になりすぎないようにしなければいけません。支援者は、利用者のことを思って、食事の量を減らします。しかし、ご飯を減らされた利用者からすれば、いじわるされたと思うかもしれません。

支援者は仲間だ!

利用者は、自分の食事の量を勝手に減らす支援者のことを仲間だと思うことはできないでしょう。心理面の目標は、自分が所属する共同体(集団)において貢献的なふるまいができるようにするためにあります。しかし、仲間だと思えない支援者がいる共同体では貢献的なふるまいではなく、攻撃的なふるまいになってしまいます。どんなに重要な支援も、相手から仲間だと思ってもらえないと逆効果です。

食事の支援はデリケートな支援です。気をつけなければいけません。

最近、毎日、インスタに事業所のお昼ご飯をアップしています。インスタのストーリーズにあげた画像を一つにまとめました。20秒ぐらいの動画です。どんな食事なのかのぞいていただけると嬉しいです。


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