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NGワード「年上なんだから…」

支援者は、事業所の利用者の年齢の幅が広いとき年長の利用者に対して「あなた年上でしょう」とか「先輩なんだからしっかりして」と注意することがあります。私は、その場面を見つけると支援者にツッコミをいれます。「年上だからなんだって言うんですか…」

支援計画に支援者の勝手な思いは不要です

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。本業は理事長職です。しかし、相談業務を中心として直接支援にもかかわります。そのため、利用者の「支援計画」を見ます。支援計画には、利用者の皆さんが、どんな支援を受けたいか、将来どんな生活をしたいか、そんなことが書かれています。そこに書かれることは、利用者の思いでなければいけません。しかし、支援計画に支援者の勝手な思いが書かれることがあります。

支援者の思いの一つに、年齢や利用年数に関係することがあります。たとえば「年齢に合った恥ずかしくない行動をしましょう」とか「先輩としてみんなのお手本となってください」という文言です。これらは、支援者の一方的な思いです。支援者の勝手な思いは不要です。また、こんな抽象的な文言では行動ができません。

NGな注意

さらに、実際の支援場面では、年長の利用者が支援者の思いと異なる行動をとったとき、支援者は年長の利用者に対してこんなふうに注意をすることがあります。

「年上なんだからしっかりしてください」
「あなた、みんなよりも年上でしょう、わがまま言わないで」

こんなふうに言われてしまった利用者が愚痴っていました。

「年上、年上ってすぐに言うけどさ、だから何だって言うのよ。」

もっともです。

また、ある利用者は「なんで私ばっかり怒られなくちゃいけないの、私だって困ってるの」と訴えていました。「年上」とか「先輩」という言葉を使うときは、慎重にならなければいけません。

支援者の言い分

支援者に話を聞くと、支援者は「年上なんだからしっかりしてもらわなくちゃ困ります」と言います。私が「何が困るの?」と聞くと、支援者は「そりゃ、あれですよ、いろいろあるじゃないですか…」と、はっきりしません。これでは何も伝わりません。この状況で困っているのは支援者です。支援者が、自分の思い通りにならないから困っています。また、この言葉で利用者を困らせています。

責任感が強い人ばかりです

別の例では「先輩でしょ」の一言が作用しすぎて、他の利用者に対してマウントをとってしまうことがあります。「先輩なんだから」と過度の責任感を感じての行動です。「先輩」という言葉を使うときは注意が必要です。

そう言いながら、私は、ある利用者にお願いをしました。昨日、グループホームの2階に新しい利用者が入居しました。グループホームの2階は、支援者の目が届きづらい場所です。幸いなことに隣室の利用者が新しい利用者と顔なじみでした。また、新しい利用者は、口数の少ない利用者です。隣室の利用者に「困っていたら教えて」と、お願いをしました。今朝、その利用者が私の顔を見るなり「昨日、大丈夫だった。」と報告をしてくれました。

責任感が強い人ばかりです。

連続投稿1000日まで、あと17日。

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