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専門職としての付き合い方

障がいのある方の支援をしています。この仕事を始めてもう30年以上が経ちました。何年続けていても、ついおろそかになってしまうことがあります。大事なことを忘れないためにここに書き留めます。

私たちは支援者は、専門職として利用者に何かを伝えたり、行動を共にしたりします。障がいのある利用者と一緒に活動する、生活することが私たちの仕事です。

利用者から、「○○さん(支援者)、怒っています」「○○さん(支援者)に注意されました」と言われることがあります。その支援者は怒ったり注意したりしていないと思っています。しかし、利用者は、注意された、プライドを傷つけられたと思っています。

このことについて支援者間で話し合いをすると、「利用者Aさんはそういう障害だから」とか「利用者Aさんは何を言ってもネガティブにとらえるからね」と、決めつけることがあります。しかし、これは間違いです。

利用者は、私たち支援者から専門的な支援を受けるという契約を結んでいます。よって支援者が勝手に、親子のような関係や友だち同士のような関係を作ってはいけません。

この事例において、専門職としてのかかわりは、利用者Aさんにとって、苦手な言葉(NGワード)を探したり、利用者Aさんが受け入れやすい言葉をつかって話かけることです。また、支援者は表情を変えて支援をする工夫も必要です。専門職としてのかかわり方は、非言語によるコミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)にも注目し、自らも発信することです。

以前、中野のエクステンションセンターの講義で、人関係において「あいさつ」は、あなたと私は仲間である、という意思表示であり、さらに「雑談」は、私はあなたと仲良くなりたいという意思表示だというような話を聞きました。

ときどき、雑談とおしゃべりを勘違いしている支援者がいます。利用者やご家族に対して支援者が一方的に話をしてしまうときです。専門職としての雑談は、まず相手の話をたっぷりと聴くことです。「~なんですね」と話を聞きます。「それって~ですよ」と断言ばかりしてはいけません。

利用者やご家族は、誰よりも特別な付き合い方を求めます。その気持ちを十分にくみ取ったうえで、適切な距離を作るのが専門職としての付き合い方です。私もときどき調子に乗って話を聴くことがあるので要注意です。

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