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社会から疎外される不安

昼間、おふくろが生活する老人ホームの方から電話がありました。お袋が話があるから来て欲しいと言っているとのこと。買物がある場合はいつもホームの人に言づけます。でも今日はそうではないようです。仕事の休憩時間に行って来ました。

話を聞くとお袋の周りで大変のことが2件起きていました。まず深夜2時、お袋と仲の良い方が居室で転倒し、大量に出血し救急車で運ばれました。さらに、お袋を担当してくれている若い男性の支援者がバイクで事故を起こし、手術をして入院していたことがわかりました。お袋はここ数日、担当の支援者が来ないことを気にしていました。

私を呼び出したお袋の要件は、二人のお見舞いに行きたいからホームの職員にくわしい話を聞いて、連れて行けと言うのです。

その話を聞いて、私はつい、言ってしまいました。
「大丈夫だよ、すぐに元気になって戻ってくるから」
これが余計な一言でした。
「あんた、何、言ってるの。なんもわからないくせして、お世話になっている人が入院しているのにしらんぷりできないでしょう」

お袋の言う通りです。私はお袋の話を聞いて頭の中でいろいろ計算をしていました。個人情報だから、ホームの人に聞いても教えてもらえないだろうしなぁ、と。

この福祉の仕事をしていると、利用者同士の関係や利用者と支援者の関係について悩みます。アドラー心理学で言うところの、ライフタスク、仕事(契約)関係なのか交友の関係なのかというところです。さらにお互いの求める関係が一致しないからより複雑になります。

お袋にとっては、一緒に入居されている方も、支援者も大切な人です。その人を思う気持ち、その思いに応えることができません。

高齢者の精神的な孤立が問題になっています。自分が社会から疎外された気持ちになり、それに伴い、認知が低下していきます。きっと、今回の知人の見舞いに行かれないことなど、そういうことひとつひとつが社会からの疎外感につながっていくのだと思います。

今日は仕事の合間だったので、ゆっくり話もできませんでした。あらためてお袋に謝って、何か方法を考えようと思います。

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