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足し算の前に引き算をする(不安をとりのぞくことから始めよう)

昨日は、コロナ禍で健康診断が実施できないという困りごとを書きました。コロナは私たちの生活にいろいろなダメージを与えています。しかし、その反面、見直しができたこともあります。今日は、そんな話題です。

私は障がいある人が利用する法人を経営しています。私の法人が経営する事業所は、コロナの影響で今年度のイベントがすべて中止になりました。毎年、支援者が楽しいイベントを企画していました。それが今年はできません。また、私も現場の支援者だったころは、たくさんのイベントを企画していました。

楽しいことをたくさん企画する

今より規制が少なかった時代です。今以上にいろいろなことができました。毎月、外出行事を組み、年一回の旅行も北海道や沖縄まで遠出をしていました。(旅行で遠出が難しくなった理由は労基法の関係です)

しかし、外出や旅行に力をかける分、日常の活動がおろそかになっていたという反省があります。あのころは、がむしゃらに自分が楽しいことばかりを率先していました。自分が楽しいんだから利用者も楽しいはずだ、勝手にそう思いこんでいました

楽しいことを企画することは大切です。ただし日々の活動が充実していないといけません。また、利用者は、困りごとや不安を持っています。そこを取り除くことも必要です。私が若かったころは、楽しいできごとで困りごとや不安にフタをしていました

楽しさでごまかしていた

それは、イベントだけではありません。日常的な支援も同じです。たとえば、怒ったり、悲しんだりしている利用者に「ほらこの曲好きでしょう」と言って、好きなアーティストの曲を聞かせて和まそうとしていました。また、旅行に行ったときの写真を見せて楽しい言葉をかけていました。

しかし、利用者はそれでは気分を変えてくれません。私は、「これいつも聞いてるじゃん、機嫌なおして」とか「また旅行行こうね」、そんな言葉でいつまでもごまかし続けていました。

まず、今、困っていることや不安に寄り添うことから始めなければいけません。

日課に安心して参加できているかなぁ

福祉サービスでは、高齢も障がいも日中活動(デイサービス)があります。そこでは、日々、利用者が楽しめる活動を用意しています。ただし、そこに積極的に参加して満足をするためには、その人が日常に抱えている困りごとや不安を取り払わないと心から満足することができません。

楽しみを加える前に不安を取り除くことが必要です。足し算ばかりではなく引き算をしなければいけません。昔の私は、利用者が悲しんでいると、次から次と楽しい活動ばかり押しつけていました。

今回、コロナ禍でイベントが中止になり、時間に余裕ができました。その分、日常の活動を見直すことができました。また、利用者一人ひとりが、安心して活動に参加できているか、そのときの表情や気分に向き合う時間ができたように思います。

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