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「情熱」や「優しさ」の時代から「技術」の時代へ(教える技術 4回目より②)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方考えて書いていきます。

4回目からは、コースの設計です。自分が教えたいコースについて設計を始めました。

教える技術におけるコース設計と、私が仕事とする対人援助の支援(支える)には共通点があります。今回はその点をまとめて、教える技術は、対人援助者にとっても必要なスキルであるということを書きます。その2回目です。

共通点を表にまとめました。

支える技術

前回は、主体スタートについて書きました。

導入

教える技術の導入で重要なことは、教える人と学習者間のラポールだといいます。ラポールとはフランス語で「関係」という意味があり、特に共感に基づく信頼関係のことをさします。このラポールは対人援助においても基本です。利用者との間にラポールが形成されなければ支援は成立しません。ラポールが形成されない関係は支援ではなく支配です。

視点

教える技術において、教える人は、学習がどこまでそのことについて知識を持っているか、学習者の既有知識をつかむことが重要だといいます。そのうえで、ちょっとのサポートがあればできる領域を教えます。そうすることで学習者は自分の能力を活かして学習を続けることができます。

支援においては、ストレングスに注目をします。ストレングスはその人が持っている力です。従来の支援は、できないことはかりに注目し、できないことを人並みにすることに重点が行われていました。その結果、利用者に負担をかけたり、行き過ぎた指導に至ることがありました。今は、利用者が持っている力を最大限に活用し、自分で課題解決ができるように支援します。

ゴール

教える技術においてはニーズに基づきゴール分析をします。対人援助においては、アセスメントから短期目標・長期目標を設定し、支援者はリソース(社会資源)の一つとなって伴走します。教える人、支える人がリソースの一つであるという点も共通しています。また、伴走をするためには、具体的なゴール、目標設定が必要です。そこから逆算して学習内容、支援内容を決めます。教える技術のテキストには逆向きの設計と書かれていました。教えることも支えることも、相手が成長した姿をイメージして、そこから逆向きに計画をたてます。

以上、教える技術と支援(支える技術)には共通点がたくさんあります。教育が「情熱」から「技術」に変わろうとしています。同じように福祉も「優しさ」から「技術」に変わるときが来ています。

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