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支援は五感を使って見る

経験豊富な支援者は、支援のコツは利用者さんとの関係性にある、と後輩に指導することがあります。しかし良い支援を関係性に求めると、付き合いの浅い職員はまだ関係ができていないから良い支援ができないと思ってしまいます。

また関係性というのは抽象的であり、一方的でもあります。支援者は関係ができていると思っていても利用者さんはただ言うことを聞いているだけということもあります。

私は、利用者さんとの付き合いの中でつかまなければいけないのは「間」ではないかと思います。

利用者さんが何かをしようとするとき、「ちらっ」とこっちを見ることがあります。その瞬間をつかめるかどうかがポイントです。

利用者さんにとっていつも見られているというのは迷惑です。それは監視されていることになります。そうではなく、利用者さんが見て欲しいときに目を合わせられるようにします。

利用者さんが「ちらっ」とこっちを見たときに目が合ったら、「大丈夫、OK」っていう気持ちで微笑み返します。今日はそのときに相手が「よっ!」って手を挙げてくれたので、私も「よっ!」手を挙げました。利用者さんはそのままトイレに入って行きました。

利用者さんの中にはトイレの中でいろいろな物語を作る人がいます。トイレットペーパーを一個、全部使ってしまったり、直接おしりを洗ったり、パンツを流したり…。でもアイコンタクトをとったあとは物語を作ることなくすぐに戻ってきてくれるような気がします。

支援はいつもさりげなく見ているというのがコツかもしれません。そのためには五感をはたらかせなければいけません。これが支援でいうところの「相手を見る」ということになります。

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